電通のダイバーシティ(多様性)課題対応専門組織「電通ダイバーシティ・ラボ」は、LGBT(※)を含むセクシャル・マイノリティ(性的少数者)に関する調査を実施した。全国6万9989名を対象に実施したもので、このうち7.6%がLGBT層に該当。LGBT層向けの商品・サービス市場規模は5.94兆円との推計を発表した。
※LGBT:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー/トランスセクシュアル(T)の頭文字をとった総称
推計した市場規模は、一般家庭で消費金額が大きく、消費者の嗜好で商品選択が可能な22の商品・サービスカテゴリーを対象に、総務省の家計調査と家計消費状況のデータを踏まえ、LGBT層の消費状況を加味して算定したもの。自宅食費(2兆1978億円)、車・バイク費(関連用品含む)(6297億円)、医療・保健費(5216億円)の順に多く、国内旅行費は762億円、海外旅行費は290億円だった。家電やAV機器、家具・インテリア、化粧品、カルチャー活動の消費が、一般層より活発だという。
また、今回の調査ではLGBT当人の消費のみならず、LGBT層を支持・支援する一般層の消費傾向があることも判明。LGBT層をサポートする企業の商品・サービスの利用意向は53%にのぼった。電通ダイバーシティ・ラボでは、さまざまな人間関係が社会に受容されることで生まれる消費の可能性があるとし、これらの消費スタイルを「レインボー消費」と名付けて、今後も調査研究する方針だ。
調査は2015年4月7日~8日まで、インターネットで実施。事前スクリーニング調査は20~59歳の6万9989人に実施し、そのうちLGBT層500人、一般層400人に実調査を実施した。