視聴行動分析サービスのニールセンは、同社のスマートフォン視聴率情報「ニールセン・モバイル・ネット・ビュー」から、「グルメ/飲食店」サービスのアプリとブラウザの最新利用動向を発表した。
対象は、「グルメサービス」はスマートフォン利用者全体の41%がそのいずれかを利用しているという「食べログ」と「ぐるなび」「ホットペッパー」の3サイト。「飲食店サービス」はスマートフォン利用者全体の34%がいずれかを利用している「マクドナルド」「すかいらーく」「ケンタッキーフライドチキン」の3サイト。
これによると、飲食店情報を提供する「グルメサービス」はブラウザのみの利用割合が79%と高いのに対し、飲食店自体が情報を提供する「飲食店サービス」は83%がアプリからの利用である結果に。アプリのみでの利用割合は「飲食店サービス」が55%に対し、「グルメサービス」はわずか6%だった。また、「グルメサービス」については、アプリでは複数サービスの利用者は12%だが、ブラウザでは49%と約半数が複数のサイトを利用していた。
この結果についてニールセンの同社シニアアナリストの高木史朗氏は、サービスをアプリから利用する機会が増えている中で興味深い結果とした上で、「目的にあった飲食店を探すために、ユーザーが検索して出てきた複数の『グルメサービス』から店を選択している表れ」と指摘。「ブラウザ上で十分に使いやすいため、わざわざアプリを利用する必要がないと感じている人も多いのでは」とも推察する。
一方、一般的に期待される「アプリで顧客の囲い込み」に対しては、今後はアプリ利用に対するポイント加算や限定クーポンの付与など、アプリを使うメリットの明確化が重要だと提言。次に検索結果から直接アプリの詳細ページに遷移できるディープリンクの活用など、アプリへの誘導を図ることも必要になるとする。これらを踏まえ、「グルメ/飲食」サービスに関わらず、ユーザーがどのようにアプリとブラウザを使い分けているかを把握することが、今後のアプリ戦略において重要になってくると指摘している。