リクルートの「じゃらんnet」の国内宿泊における2014年度の予約流通取扱高(予約受付時)が前年比27%増の6891億円に達した。2009年度の3392億円と比較すると倍増している格好だ。この数値は、リクルートライフスタイルが開催した「じゃらんフォーラム2015」で発表されたもの。同社執行役員・旅行領域担当の宮本賢一郎氏が「じゃらんの今後」と題したプレゼンテーションで好調な業況を公開するとともに、今後の展開では事業領域の拡大をしていくことを示唆した。
*画像はプレゼンテーションを撮影したもの。
宮本氏は、今後の展開で特に、同社の強みとなっているリクルートID会員基盤が拡充されることを強調。2015年冬頃にポイントサービス「Ponta」とリクルートIDが統合され、リクルートIDが全国2万3400店舗で利用可能になる。また、Pontaの6000万人を超える会員にリーチが可能になることから、「集客面でも(宿泊施設や地域に)貢献できるようにしていきたい(宮本氏)」考えだ。
人材、美容、学習、外食などで提供する全サービスのポイントは、すでにリクルートIDとして共通化を完了している。同氏は、“じゃらん”の強みを「各種サービスとのID連携で支えられている」ものとして説明。こうしたポイントの強みに加えて、7月には旅行先の現地アクティビティの提供を開始するなど旅行商品のコンテンツ拡充もはかっているところ。宮本氏は、こうした流れで「宿泊予約サービスから旅行プロセス全体の旅行情報サービスへ」展開していく方針を明かし、今後の事業領域の拡大を示唆した。
同フォーラムでは、同社代表の浅野健氏がタビナカ事業者の業務支援の構想を発表している。こうした事業支援も、その展開のひとつとえるだろう。
なお、インバウンドでは、アフィリエイトの提携先を増やし、サイトリニューアルなどを行って強化を進める。2015年度は4言語(タイ、マレーシア、インドネシア、フランス)を追加し合計8言語に。アジアを中心に各国での広告出稿量を増加させ、外国人旅行者の集客増加に努める方針だ。
フォーラムで発表された各事業における業況は以下のとおり。
ダイナミックパッケージ : JAL・ANA各社と進めるダイナミックパッケージが2012年から2014年まで、ほぼ倍増で成長。
法人サービス : 営業体制を強化することで契約企業数、人泊数を伸ばした。
若者需要創造(マジ部) : 2014年に開始した「マジ部」。需要喚起策に呼応する若者が拡大している。
ふるさと割(ふるさと旅行券) : 35自治体からの受託決定。最終的には40自治体になる見通し。
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(トラベルボイス編集部:山岡薫)