高速路線バス会社が破産、負債総額は8億4724万円　－東京商工リサーチ

東京商工リサーチによると、高速路線バス「旅の散策バス」を運行していた旅客自動車運送業の株式会社富士セービングバスが2015年8月12日、東京地方裁判所から破産開始決定を受けた。負債総額は8億4724万円（2013年6月期決算時点）。　＊画像は同社が入居していたビル。

1987年設立の同社は1996年に開始した金券ショップの運営で本格稼働し、2009年6月にはツアーバスを運行する関連会社、富士セービングバスを吸収合併して現商号に変更。金券ショップ運営と第2種旅行業でのツアーバス運行で事業を展開し、2010年6月期には売上高28億3056万円を計上していた。

しかし、新規参入者の増加による過当競争の影響で、2013年6月期には売上高が18億4218万円に減少し、収益も低調。2013年8月にツアーバスが乗り合いバス（高速路線バス）事業に変更されると、停留所設置や運転手の走行距離上限厳格化に伴う2人体制などでコストが増加。金券ショップも交通機関のチケットレス化などで売り上げが伸び悩んだ。

東京／大阪路線の譲渡や金券ショップ事業からの撤退で対策を行なってきたが、業績悪化を食い止めることはできず、残る東京／名古屋線、東京／仙台線も廃止し、破産申請を行なった。