国際航空運送協会(IATA)は、2016年の航空業界の業績予測を発表した。全体の純利益は363億米ドルにのぼり、平均純利益率も5.1%になるというもの。そのうち、アジア太平洋地域では座席供給量が同8.4%増、純利益は2015年の58億米ドルから66億米ドルに増加すると予測。旅客一人あたりの利益は、アメリカやヨーロッパには追いつかないものの、5.13米ドルになる見込みとした。
また、2015年の純利益については、6月発表時の293億米ドルから純利益率4.6%の330億米ドルに上方修正した。
強気な業績予想の背景のひとつが原油価格の下落。2015年の平均原油価格が1バレルあたり55米ドルに下落、2016年も1バレルあたり51米ドルを下回ると予測している。また、旅客需要も2015年で前年比6.7%、2016年で同6.9%増加すると見込む。世界の経済状況については、中国やブラジルで減速が見られるものの、主要経済圏では成長が期待され、特にユーロ圏では予想よりも早い回復が見込まれるとしている。このほか、航空会社による効率的な運航が進んでいることも指摘。2015年の平均搭乗率は過去最高の 80.6%になる見込み。2016年は若干下がるものの80.4%を予測している。
2016年の旅客需要について、世界の旅客数は同6.9%増の延べ38億人に達すると推計。これにより、航空業界の収益は2015年の7,100億米ドルを0.9%上回る7,170億米ドルになるとしている。