凸版印刷は訪日外国人の旅マエ、旅ナカに、買物情報を届けるサービスを開発した。同社が運営する電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を配信する仕組みを活用し、インバウンド向けサービスとしたもの。凸版印刷では現在、「旅道」プロジェクトとして、多言語サービスで様々な企業と連携しながら旅マエ、旅ナカ、旅アトの各場面にタッチするプラットフォームの構築を進めており、その一環の取り組みだ。
サービス提供にあたっては、国内外の旅行会社や観光情報サイトなどと連携し、流通企業のチラシや店舗の情報を掲載。訪日中の旅ナカでは、スマートフォンで観光情報サイトからホテル周辺の免税対応店を検索できるようにするなど、外国人旅行者の来店を促す情報を提供する。
掲載するチラシは日本語版を使用可能。検索導線や店舗情報、地図、経路案内は多言語化(英語・中国語)し、店や商品のカテゴリや目的地、現在地などの方法で、店舗情報やチラシを検索できるようにした。凸版印刷の調査によると、ターゲットとする中国本土や台湾など中華圏からの訪日外国人は、日本語のチラシに対して「よく理解できる」「どちらかといえば理解できる」との回答があわせて95%を超え、一定の受容性やニーズがあることが判明したという。
BtoBのターゲットとして狙うのは、百貨店や家電量販店、ドラッグストア、スーパーなどの流通企業。すでにイオンやイトーヨーカ堂、近鉄百貨店、ヤマダ電機などが参加を予定している。また、チラシの掲載先となる旅行会社や航空会社、観光情報などのサイトのほか、訪日外国人向けWi-Fi事業者などとも提携していく予定だ。
サービス開始は2016年3月を予定。当初はShufoo!掲載企業を対象に配信・掲載・店舗情報翻訳料の無料キャンペーンを実施し、2016年10月以降に有償化を予定する。2017年3月末までに5000店舗の導入を目指す。
なお、Shufoo!には現在、約3100法人、約10万4000店舗が参加。PV数は月間2億3810万、ユニークユーザー数は月間690万(2015年11月現在)。