ジャルパックは、2016年上期の国内・海外旅行商品の発表会を開催した。冒頭、代表取締役社長の藤田克己氏は2016年も2015年度の環境が続くとし、「海外旅行は復活、国内旅行は堅調な推移の持続を全社一丸でしっかりやっていく」と意欲を示した。
国内・海外の共通の課題としてあげたのが、インバウンドの急伸による仕入れ環境の激化。日本発着の航空座席に加え、国内のホテルが厳しく、「競合は大手旅行会社だけではない」(国内業務グループ長・安達健太郎氏)と、国内や海外OTAの影響にも言及。
藤田氏は商品展開において「期首、期中とあるが、期首商品をしっかり売っていくことが今まで以上に大切になっている」と述べ、2016年上期商品は早期予約を強化する施策を盛り込んだことを説明した。特にインバウンドは1年先など予約の動きが早いことも指摘し、「日本人の旅行の立ち上げを早くする必要性を強く感じている。それが今回の造成にも繋がっている」とも述べた。
例えば、海外旅行ではオセアニアで、従来の90日前に加えて120日前までの予約で2万円を割り引く特典を新設。国内旅行では北海道で従来の“60日前に加え、90日前までの予約で1万円割り引く「早決90」を新設し、沖縄での早決60・90は割引額をそれぞれ増額した。
また、航空座席対策ではビジネスクラスやプレミアムエコノミー利用の商品を強化。日本航空(JL)の機内革新戦略でゆとりを持たせ分、座席数が減少しているエコノミークラスに対し、座席数や搭載路線数が増えている上級クラスの利用商品を拡充して対応していく考えだ。このほか、上期商品のポイントは以下の通り。
【海外旅行の3つのポイント】
- 「JALパック」ならではの新企画
- ツアーコンダクター(添乗員)同行コースを拡充
- 現地滞在をより楽しく快適に
商品造成では、ジャルパックの規模を意識したサービスも重視。例えばハワイでは、モアナサーフライダーのシンボル「バニヤンツリー」の下での限定ブッフェディナーを設定するが、「大手では入りきれないし、小さければ企画自体ができない。ジャルパックの規模だから実現できる」(海外業務グループ長・中井策太郎氏)とアピールした。
参考>>
なお、ヨーロッパでは従来の2名、10名に加え6名で催行するゆったり旅程の新コースを設定。テロの影響で15年下期は落ち込んだ同方面だが、2016年上期においてもコース数に変更はない。
▼海外旅行 2015年下期見込みと2016年上期目標(人数)
【国内旅行3つのポイント】
- 「早決」強化 沖縄・北海道
- 「復路欠航お見舞金サービス」「沖縄本島JALうたばす新ルート」ほっとするサービス新登場
- 「JALパック」ならではのこだわり、旬な素材を活用した新企画
沖縄の観光バス「JALうたばす」では、全3ルートすべてにリフト付きバスを導入し、車いすでの利用を可能に(観光で一部に入場制限あるコースあり)。15周年の東京ディズニーシーでは、記念イベントを1日早く楽しめる特別コースも設定。
15年下期は選択プランの拡充や、利便性を向上させたJALダイナミックパッケージが30~40%増となるなど、好調に推移。2016年も堅調な需要を見込むものの、北海道と沖縄は仕入れ競合の影響により、多方面よりも抑えた目標設定となった。