観光庁は、民泊の仲介業者が旅行業登録の必要性があることを整理・確認した。ただし、海外にサーバーを持つ外資系などのオンライン旅行会社(OTA)などの例外も想定。日本の旅行業登録がない海外OTAや場貸し(仲介)サイト、メタサーチも対象とした「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン(OTAガイドライン)」の取り組み内容の実施を求めていくスタンスだ。
これは、このほど開催された第6回目の「民泊サービスのありかたに関する討論会」で、説明されたもの。民泊のルールづくりでは、1月に早急に取り組むべき課題として民泊サービスを旅館業法上の「簡易宿所」扱いにする方針を決定。旅館業法改正に向けて最終調整にはいっているところだ。民泊の簡易宿所扱いが法令化されれば、4月以降にその仲介を行う事業者が旅行業者にあたることになる。
民泊の議論で中心的な存在となってきたAirbnbは米国企業。旅行業を取得するのか、海外OTAのように「OTAガイドライン」の枠組みで活動するのか、動向に注目したい。
また、今回の検討会では、新たな論点として旅行業者に対する「管理の責任」の位置づけの検討が挙げられた。観光庁としては、「民泊サービスの仲介」が旅行業における「手配業務」になるとの見解。「手配旅行」では、サービスの管理・監督の義務はないものの、旅行業者の禁止行為(旅行業法13条第3項)では法令に違反するサービスのあっせんを禁止している。
観光庁では、これを旅行業法の“限界点”とする一方で、「管理」に着目して法整備をしていく可能性を言及。国家戦略特区の旅館業法適用外における民泊では、ネット仲介業者が予約管理、損害保険の加入、24時間対応窓口、苦情受付などを実施している事例があり、旅館業法改正で仲介を行う旅行業にもこうしたスキームを検討していくべきとの考え方を示した。
トラベルボイス編集部 山岡薫