政府、観光強化のための改革案、自家用車ライドシェアや出入国手続きの迅速化など

政府は2016年3月2日、第20回国家戦略特別区域諮問会議を開催。その中で、観光客を含めた外国人の受け入れに関する規制改革案を提示した。

過疎地などでの観光客に対する自家用車を使った有償運送サービスの制度拡充のほか、ファッション、デザイン、アニメ、食分野などを学ぶ留学生を、そのまま日本企業で就労可能とする枠組み明確化など複数項目が含まれるもの。地方創生の加速と外国人の受け入れ積極化を促進する目的で、国家戦略特区法の改正案の追加メニューとしてまとめられた。

観光客・外国人受け入れに関する内容は、(1)過疎地域等での自家用自動車の活用拡大、(2)クールジャパンに関わる外国人材の受入促進、(3)民間事業者と連携した出入国手続その他の空海港における手続の迅速化、(4)特別免許状付与の拡大等による外国人等の外部人材活用促進、の全4項目。

過疎地域での自家用車活用では、観光客を対象に、地域住民の自家用車による有償旅客運送制度を拡充。同時に、新制度に対応する住民や関係市町村、一般自動車運送事業者との相互協議にもとづき、国家戦略特別区域会議が該当区域の決定を速やかに決定できるものとした。いわゆる白タク、といわれてきたライドシェアを制度化するもの。

クールジャパンに関わる外国人の受入促進では、例えばファッション、デザイン、アニメ、食などの分野で技能を習得した外国人が、在留資格「技術・人文知識・国際業務」のもとで活動・就労できるように促すもの。大学や各種学校への留学推進と同時に留学生がそのまま国内企業で就労できる枠組み作りを急ぐ。また、例えば訪日外国人のニーズに応じた「ファッションツーリズム」の推進なども視野に、ガイドライン検討を進めるとする。

空港や海港における手続きの迅速化では、民間事業者との連携を引き続き推進。例えば入国審査の時短に役立つ「バイオカート(待ち時間に顔写真や指紋を採取する最新機器)」の補助員やブースコンシェルジュ業務の民間委託などを含め、効率運用を図る。

教育に携わる外国人人材の活用促進では、特定のスキルを有する人材情報を管理するデータベースを全国のモデル事業として整備。それにより、教育現場の需要に適した速やかな人選を実施。さらに構造改革特区の特例措置「市町村教育委員会による特別免許状付与事業」でも活用できるようにする。


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