民泊仲介サービス「とまれる」は、先ごろ開催された第8回「民泊サービスのあり方に関する検討会」で、民泊市場の健全な発展に向けた規制改革のための提言として、「民泊関連の規制見直し」と「ヤミ民泊の取り締まり強化」を訴えた。
国家戦略特別区域法に則した民泊サービス「STAY JAPAN(ステイジャパン)」での東京都大田区における特区民泊の運用実績から行なったもの。
「とまれる」代表取締役の三口聡之介氏によると、特区民泊で参入を検討していても、(1)法令遵守にも関わらず民泊を行なうことに対する風評リスク、(2)6泊制限による連泊需要への懸念、(3)参入に係る手続きの煩雑さ、(4)消防法など経済性への懸念、などにより、民泊参入を断念するケースが多い。
例えば、大田区の説明会への来場状況では初期候補は1000室以上あったが、特区独自の「25平米・6連泊要件」で約900室が脱落。さらに用途規制で約100室、簡易宿所緩和による様子見で約100室、構造設備による脱落が約70室、消防設備や近隣対応のコストによる脱落が約10室となり、最終的に特区民泊申請手続きで残っているのは27室。現在、「とまれる」が扱っている民泊は7室であり、当初目標だった100室を大幅に下回る結果になったという。
これを受け、簡易宿所の緩和では民泊の拡大には限界があるとし、民泊関係の規制については見直す必要があると提言。宿帳の整備や仲介業者に対する規制など、妥当と思われる規制があるとする一方で、「用途規制」や「消防」「便所・風呂などの構造」「帳場」は改善の余地があるとした。
また、実効性がある規制改革には「合法民泊を狭めるのではなく、ヤミ民泊の取り締まりの強化と違反者の厳罰化」を要望。「合法の民泊は規制が厳しく、本来の市場が絞られている。それが緩和されない限りヤミ民泊に流れる」と理由を語り、「合法民泊を緩めれば適正な市場になる」と述べた。
規制緩和に際しては、各関係者の責務を考慮することを提案。民泊提供者であるホストと運営者・代行者には「管理者の責任の一元化」をするとともに、プラットフォーマーである仲介業者に対しても、「ある一定の責任を負うのはやぶさかではない。手段として保険を使うなどはあるが、あって然るべき」との考えを示した。
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