観光庁は、2016年5月(第1次速報)と、その前月(第2次速報)の宿泊旅行統計調査の結果を発表した。それによると、2016年4月ののべ宿泊者数合計は前年比1.7%増の3850万人泊となり、2007年の調査開始以来4月として最高を記録。続く2016年5月ののべ宿泊者数合計は、前年比5.6%減の4052万人泊となっている。
2016年4月の外国人のべ宿泊人数は10.1%増の700万人泊、5月は3.6%増の578万人泊。日本人の4月は前年と変わらず3150万人泊、5月が7.0%減の3474万泊。今年のゴールデンウィークは日並びの関係で5月よりも4月の伸びが大きかった一方、熊本地震の影響でプラスマイナス0.0%に。外国人は三大都市圏での稼働率の高さやそれに伴う客室単価の高騰、さらに熊本地震の影響で伸び率の鈍化につながっている可能性があるとしている。
のべ宿泊者数の推移は以下のとおり。
客室稼働率は4月として過去最高、関西圏は上昇で継続、九州全体は低下
2016年4月の稼働率は、全体が58.4%で4月として過去最高。そのほか、リゾートホテル(53.9%)、ビジネスホテル(73.9%)、旅館(33.5%)も4月として最高を記録した。5月の全体稼働率(第1次速報値)は、57.9%となっている。
都道府県別で2016年4月の最高は大阪府の86.2%で前月(87.8%)よりはやや抑えた数字となったが、高水準が続く状態。2位東京は83.7%で前月よりさらに上昇。施設タイプ別では、京都府がシティホテルで92.9%、ビジネスホテルで89.4%となり全国最高となったほか、リゾートホテルは奈良県が87.5%、旅館は東京が60.5%、簡易宿所は大阪が69.9%で全国最高となっている。
一方、熊本地震の影響で、4月の九州の稼働率は前年比7.1%減の51.4%。特にリゾートホテルは12.6%減の43.9%、シティホテルは8.4%減の63.7%と低下。県別では大分県が14.5%減の39.1%と大きく低下。福岡県と佐賀県のみが4%台の伸びを示した。
都道府県別の稼働率の傾向は以下のとおり。