サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は、2016年7月14日の第16回定期大会で承認した2016年度の運動方針を発表した。副会長の長縄将幸氏は、2013年に掲げた4年間の中期目標の最終年であることを強調。「その総仕上げの1年を臨んでいく」とし引き続き3つの運動の柱「強固な組織基盤の確立」「労働環境の整備」「社会との共生と連帯」の実現に取り組んでいく。
このうち「労働環境の整備」では、中期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現に向け、すべての加盟組合で年0.5%以上のベースアップに取り組んできた。これについて、これまでの3年間で全体の約5割が実質的な賃金改善の回答を引き出すなど、「着実な前進があった」と取り組みの定着化を評価。引き続き運動を進めていく。
また、“働く者の立場から”の政策提言機能の強化として2016年2月に初開催した「観光政策フォーラム」は今年度も第2回を開催する予定。一方、民泊サービスに関しては、既にサービス連合として「健全な産業発展を実現するため、引き続き旅館業法と旅行業法の適用」を求める公式見解を表明しているが、今後は法制化に向けた国会審議へとステージが移っていくなかで、国会対応を強めて産業政策の実現を図っていく考えだ。
このほか、「強固な組織基盤の確立」では、「組織人員5万人」の達成に向け、最終年の今年は6110名の組織拡大が必要となり、これまで以上に総力を結集し、取り組んでいく。その一環としてサービス連合の考え方などの情報発信を強化。SNSを活用した情報発信として、2015年10月には新たに、Facebook上に公式ページを開設した。今後は既存のホームページとあわせ、アクセス数増加にも取り組んでいく。
なお、サービス連合では最終年としての仕上げに向けて取り組みを強化する一方で、2017年度からの4年間の中期目標設定に向けた準備も開始。そのためのプロジェクトチームを発足し、新しい目標の策定を進める。2017年1月18日開催の第16回中央委員会後に発表する予定だ。