JTB総合研究所の推計によると、2016年の日本人海外旅行者数が前年比4.9%増の約1700万人となる見込みとなった。日本政府観光局(JNTO)の発表では、2016年1月~7月までの累計海外旅行者数は933万8800人(前年比4.5%増)。さらに8月に設けられた「山の日」の日並びの良さやお盆期間中の動向、先行予約状況などを受けて算出したもの。
2016年の海外旅行意向のアンケート結果をみると、全体平均回数「1.59回」に対し、60歳以上女性(1.75回/人)、60歳以上男性(1.66回/人)、20代女性(1.65回/人)、20代男性(1.71回/人)が平均超えに。海外旅行の意向を持つ世代が20代と60代に偏る結果になったという。
海外旅行に行かない最大の理由は「長期休暇がとれないから」
一方、2016年に「海外旅行に行かない」、または「例年より回数が減りそう」な理由として最も多かったのは、「海外に行くほど長く休めない」(35.3%)。次いで「国内旅行で行きたい場所がある」(19.0%)、「旅行先での治安が心配」(18.0%)が続いた。地域別では名古屋圏で「円安でお得感がない」とする回答がほかの地域より多く、「国内旅行で行きたい場所がある」がほかの地域より少ない結果となったのが特徴的だ。
地域別・海外旅行に行かない理由は以下のとおり。
また、首都圏や名古屋圏、大阪圏以外の地域は休みが不定期な割合が比較的多く、「1年に1回以上の5日以上連続した休暇がとれる」割合も少ない傾向に。例えば「長期休みが取れない」とする回答が首都圏では5.1%だったのに対し、その他地域では10.3%と倍以上となった。定期的な休みが少ない地域では、長期休暇をとって海外旅行にいきにくい傾向を示唆する結果となった。
地域別・長期休暇のとりやすさ/とりにくさの状況は以下のとおり。
今回の調査は、同社が「2016年海外旅行の現状について」としてまとめたもの。アンケートの対象者は2014年1月以降に海外旅行を経験した15歳から79歳までの3399名。調査期間は2016年5月16日から20日まで。