JTBは2016年12月20日に2017年の旅行動向見通しを発表した。それによると、来年の訪日外国人数は前年比12.0%増の推計2700万人、日本人の総旅行のべ人数は前年比0.4%増の推計3億1500万人と予測した。そのうち国内旅行人数は0.4%増の2億9800万人、海外旅行者数は2016年並みの1700万人。日本人の平均旅行回数は0.01回増の2.52回となり、微増にとどまる見通しとなった。
また、2017年の旅行総消費額は1.6%増の14兆6100億円。そのうち国内旅行消費額が0.8%増の10兆4100億円、海外旅行消費額が3.7%増の4兆2000億円。国内旅行の平均消費額は0.3%増の3万4920円、海外旅行平均消費額は3.8%増の24万7200円となった。
消費者アンケートでは、今後一年間の総旅行支出を「増やしたい」割合は前年比4.0ポイント増の16.9%、「現状維持」が1.8ポイント減の56.3%、「減らしたい」が2.2ポイント減の26.8%。また、今後の旅行回数では、国内旅行は「現状維持」が3.7ポイント増の66.5%で最多。海外旅行も「現状維持」は2.6ポイント増の76.3%で多数を占めた。
これらの結果により、全体的に節約志向が強く消費にはやや慎重な様子だが、旅行意欲はある程度維持されていると考えることができる。
JTBによる2017年の旅行動向見通しは以下のとおり。
同社によれば、2016年は円高が進み日本人の海外旅行者数が増加基調になったものの、ここにきて円安傾向が高まったことで2017年を「前年並み」と予測。一方で2月から燃油サーチャージが復活するため旅行単価は上昇。海外旅行総消費額も増加すると予測する。
訪日旅行については円安が続けば好影響をもたらすが、中国をはじめアジアの経済状況に左右される可能性もあるとして、伸び率は昨年よりも鈍化して12.0%増にとどまると推察。政府が受け入れ環境整備を進めるクルーズ船による訪日旅行は、2017年も順調に増加するものとみている。
この調査は、JTBが「1泊以上」の日本人旅行と訪日外国人について、各種経済動向予測や観光観光動向、旅行消費者購買行動調査、アンケートなどを介して分析・推計したもの。
アンケートの対象は国内15歳から79歳までの男女1200名、実施時期は2016年11月2日から14日まで。