ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)は、自動車の手配、観光や有名レストランの予約など、旅行先であると便利な内容を一カ所に集めたモバイル・サービス「ホテルズ・ドットコム・コンシェルジュ」の提供を開始した。ボタン・マーケットプレイスの技術を利用したもの。
同サービスは、ホテルズ・ドットコムのアプリをダウンロードして利用する。旅行先に到着後は、位置情報により、その国で利用可能な各種サービスがモバイルに表示される仕組み。同社のメール会員登録をすると、優待価格情報「シークレット・プライス」の案内もあるという。
サービス開始と同時に利用できるのは、ライド・シェア「ウーバー」のほか、ピザや食事宅配の「デリバリー・ドットコム」(米国のみ)と「ハングリーハウス」(英国のみ)、レストラン予約の「オープンテーブル」(日本含む20か国以上)、アクティビティ予約の「グルーポン」(米英のみ)。チケット予約サービスも近く開始する予定。そのほか、順次、サービス内容を拡大していく計画だ。
今回採用した技術を提供するボタン社は、2014年にニューヨークで現マイケル・ジャコーニ最高経営責任者(CEO)が創業したベンチャー企業。特定のアプリに複数のEコマースサービスを連携し、状況に応じて利用可能とする「Cコマース(コンテクスチュアル・コマース)」ソリューション事業が投資家からの支持を得て急成長している。
ホテルズ・ドットコムによると、同社が昨年10~11月に実施した調査(世界28か国・回答者数8377人)では、ほぼ半分(46%)が「モバイルのコンシェルジュ・サービスを利用できたら嬉しい」と回答。リクエストが最も多かったサービス内容は、レストラン予約(62%)、行先案内(51%)、観光施設などのチケット手配(48%)だった。
またモバイル・コンシェルジュに期待するサービスとして寄せられた回答の中には、「朝、バリスタにコーヒーを淹れてほしい」(25%)、「部屋まで来てアイロンをかけてほしい」(17%)、「寝る前に本を読み聞かせしてほしい」(12%)といったユニークなものも。
同社のダニエル・クレイグ・モバイル担当シニアディレクターは「私も旅行中、誰かにメールして、シャツのアイロンを頼みたい時はあるが、残念ながら、まだそこまでは実現できていない。とはいえ、旅行者が現地でほしいサービスが一カ所に集まったコンシェルジュ・サービスとしては最先端の内容」という。今後も旅マエ、旅ナカ、旅アトのあらゆるサービス革新を目指し、モバイルに投資する方針としている。
「ホテルズ・ドットコム・コンシェルジュ」の画面イメージは以下のとおり。「オープンテーブル」を介して近くにあるレストランを探す様子だ。