静岡観光協会内に2017年1月1日、新たなDMO「静岡ツーリズムビューロー」が新設した。静岡県のDMOとしてインバウンドの司令塔となり、全県域を対象にマーケティングとマネジメントを行なう。多様な分野の関係者と協働しながら、世界の旅行者から選ばれる観光地域づくりを推進していく。
開所式で静岡県知事の川勝平太氏は、「ラグビーワールドカップ2019日本大会や、東京オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催などの外国人誘致のチャンスを迎えている。静岡ツーリズムビューローが県のインバウンドの司令塔ととして、役割を存分に発揮できるよう、一体となって取り組んでいきたい」と期待を語った。
総括責任者(ディレクター)に就任した府川尚弘氏は、1994年から特殊法人国際観光振興会(現JNTO=日本政府観光局)で訪日外国人旅行者の誘致事業を担当。2004年からツーリズムマーケティング会社であるマイルポストで、マカオ観光局など主に海外の政府観光局を中心に、国内やインバウンド業務などを含むデスティネーションマーケティングを担当してきた。
就任にあたって府川氏は、「静岡ツーリズムビューローの英語名称はTourism Shizuoka Japan。日本ブランドの下の静岡、そして静岡の下の県内各地域といった一体感ある展開を図っていく。市場ニーズと観光資源、魅力の合致したイニチアチブをもって、旅行者の満足度と同時に県民の理解度と充足度も上げ、日本一を目指したい」と抱負を語った。
まずは海外営業と海外広報を展開し、短期での実績も目指す。マーケティングでは、市町や地域DMOが作るプログラムの海外販路の開拓と、来訪を促す市場環境を醸成する活動を行なう。マネジメントでは市町、地域DMOとの役割の理解と分担、課題について連携し、成功事例をいかしながら必要とされる機能を提供して、県全体の相乗効果を図っていく。