プライスライン・グループは2017年2月7日、欧州を拠点に世界展開する旅行比較サイト(メタサーチ)大手、モモンド・グループを買収すると発表した。買収総額は5億5000万ドル。モモンドの発行済株式すべてを現金で取得する。プライスラインによれば、買収後は同社傘下のメタサーチ大手カヤックが、モモンド・グループの事業を管轄する計画。買収手続きの完了は、当局の承認後、今年後半を予定している。
モモンド・グループが展開する主力ブランドは、デンマークのコペンハーゲンに本社を置く「モモンド」と、英国ロンドン本社の「チープフライツ」。モモンドは欧州市場を中心に、航空券、ホテル、レンタカーなど旅行サービス全般のメタサーチ・エンジンを提供。チープフライツでは、航空券の比較検索プラットフォームを世界展開している。
プライスライン・グループのグレン・フォーゲル最高経営責任者(CEO)は今回の買収に際して、「メタサーチは消費者の関心が高い分野で、グローバル展開をこれまで以上に強化することが狙い。モモンドとチープフライツがカヤック傘下に加わることで、当社のメタサーチ事業がさらに充実する」とコメント。
モモンド・グループの指揮をとるカヤックのスティーブ・ハフナーCEOは「モモンドとチープフライツは、欧州市場で利用者から絶大な支持を受けている。そのノウハウを学び、さらなるグローバル成長戦略に活かしたい」。
一方、モモンド・グループのヒューゴ・バージCEOは「プライスライン・グループは顧客第一をモットーに、様々な旅行ブランドの世界展開で成功しており、その一員に加わることは光栄。カヤックと共に、世界最高のメタサーチをさらに多くの顧客に提供したい」という。
モモンド・グループの前身は、法人旅行ソリューション会社で、1992年にデンマークで創業。2006年から一般消費者向けサービスを「モモンド」のブランド名で開始した。航空券検索のチープフライツは1996年に英国で創業。その後、米国市場に進出し、2012年にはモモンドを買収。新会社の名称には「モモンド・グループ」を採用した。ボストンの民間投資会社、グレートヒル・パートナーズがモモンドに出資している。