民泊大手Airbnb(エアビーアンドビー)は、新サービスとして昨年末から「体験」を提供している「トリップ(Trips)」を展開する都市に大阪を追加した。さらに東京では、ガイドブック機能「スポット」を開始した。Airbnbでは、2017年中に「体験」を提供する都市を世界51都市に拡大、「スポット」については今年3月末までに世界12都市に増やす計画だ。
*写真:Airbnb共同創設者兼CPOのジョー・ゲビア氏
日本での「トリップ」拡大に合わせて来日したAirbnb共同創設者兼CPOのジョー・ゲビア氏は、「旅行のあらゆる体験をひとつのプラットフォームに統合することで、マジカルなサービスをより簡単に予約することができる」とトリップの特長を説明。観光面では、地域文化の理解が深まるだけでなく、地域への経済的な恩恵も大きいと強調した。
Airbnbは昨年11月に、それまでの宿泊に加えて、ローカル体験、ガイドブック機能を包括的に提供する「トリップ」をローンチ。これまでに「体験」を東京と大阪を含め世界14都市で提供し、地元に暮らす人がその人の視点で地域のユニークな素材を紹介する「スポット」を、東京を含む世界7都市で展開している。これらは、提供都市のほか、アート、テクノロジー、自然、歴史、フード&とドリンク、社会貢献などテーマごとに分類されており、現在までのところ800種類以上のプログラムがリストされているという。
ゲビア氏によると、東京での体験数は昨年11月のサービス開始時の2倍にあたる100種類に増えており、パリに次いで世界で2番目に人気の都市になっているという。また、「体験」の平均料金は1人あたり91米ドル。体験の91%がレビューで5つ星の評価を受けている。
今回、新たにスタートする大阪では、まず、和紙づくりなど10種類の「体験」で開始し、順次増やしていく計画。東京の「スポット」では、50名以上が450スポットを紹介。たとえば、手作り自転車「テンプラサイクル」によるガイドブックでは、自転車ファッション、自転車愛好家が集まるホットスポット、有名な自転車ショップや整備士などの情報を発信している。
このほか、ゲビア氏は、今国会で成立が見込まれる住宅宿泊事業法案(いわゆる民泊新法)について、歓迎の意を示すとともに、違法ホストには罰金が課せられ、仲介業者にもホストの管理義務が生じると見込まれることから、「ホストとのコミュニケーションを密にし、正しい情報を伝えていくことが大切」とコメント。法律にもとづきバランスの取れたサービスを展開していくとの考えを示した。
取材・記事 トラベルジャーナリスト 山田友樹