観光庁はこのほど、2017年8月の主要旅行業者50社の旅行取扱状況速報を発表した。それによると、総取扱額は前年比2.2%増の5980億3369万円。そのうち、海外旅行は6.7%増の2193万3245万円、外国人旅行は2.7%増の151億1796万円、国内旅行は0.3%減の3635億8327万円だった。
分野別・上位5社の直近12ヶ月の推移は?
2017年8月までの海外旅行取扱額上位5社・直近12ヵ月推移比較グラフは以下のとおり。2017年8月は上位5社(JTBグループ25社、H.I.S.グループ5社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ8社、日本旅行)のうち阪急交通社が2割増以上で好調。取扱額ではJTBグループが660億円と圧倒的な強さを見せた。
※編集部注:11月15日付けで訂正が発表されたため、最新情報に更新しました。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。8月は上位5社(JTBグループ25社、日本旅行、H.I.S.グループ5社、KNT-CTグループ8社、楽天)のうち、7月に3位となった日本旅行がHISを抜いて再度2位に復活。伸び率では引き続きHISが68.0%増と大幅な伸びを示した。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。8月は上位5社(JTBグループ25社、楽天、KNT-CTグループ8社、日本旅行、ANAセールス)のうち、前月同様に楽天以外の4社は前年比マイナス推移に。取扱額トップのJTBは約1200億円が視野に。一方の楽天は690億円以上を記録し、安定的に2位の座についている。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
2017年8月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比1.2%増の1892億7666万円、取扱人数合計は3.1%減の427万304人。海外旅行は取扱額が9.9%増の562億5987万円、取扱人数が5.1%増の24万6008人。外国人旅行は取扱額が0.6%増の4億5516万円、取扱人数は23.9%増の3万8484人。国内旅行は取扱額が2.1%減の1325億6164万円、取扱人数が3.7%減の398万7928人。外国人旅行は8月も人数に対して取扱額の伸びが小さく、単価の減少傾向がうかがい知れる結果となっている。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は、昨年度のリオ五輪関連の反動で縮小傾向にあったが、夏期のハワイを中心におおむね好調。外国人旅行は、韓国・香港からの旅行者が好調で取扱額は前年比微増を記録。国内旅行は旅行会社によって方面別の取扱額に差があるものの、全体としてはほぼ前年並みとなった。
※同統計では、2016年9月までは主要旅行業者50社、2016年10月から2017年3月までは49社、2017年4月以降は再度50社を対象に集計をしている。
2017年4月以降は、JTBグループの集計値を15社合計から25社合計に変更したほか、びゅうトラベルサービス、エスティーエートラベル、テック航空サービス、ニッコウトラベルを新たに追加。2017年以降にJTBグループの集計値に加わった10社は、JTBワールドバケーションズ、JTBビジネストラベルソリューションズ、PTS、JTB沖縄、JTB京阪トラベル、エイ・ビー・アイ、JTBメディアリテーリング、JTBグランドツアー&サービス、朝日旅行、トラベルプラザインターナショナル。
なお、「外国人旅行」は日本の旅行会社によるインバウンド旅行を指している。