ジェイティービー(JTB)は、観光庁の有識者会議で取りまとめられた新観光財源・いわゆる「出国税」について、「観光立国の実現に向け、必要性は十分理解している」との認識とともに、「いくつか検討すべき点がある」との考えを示した。2017年度の中間連結決算の発表の場で、記者からの質問に答えた。
常務取締役国内事業本部長の今井敏行氏は、海外旅行需要が回復傾向にあるなか、若年層の出国の動きが伴っていないことに言及。「金額は、人流に影響のない徴収額を設定してほしい」と要望した。また、旅行会社などが請け負うことになる徴収代行業務について、「システム改修や対象者に行なう説明などの人件費、カード一括払い時の手数料の支払い」など具体的な負担を示し、対応を行なう事業者への配慮を促した。
金額については、先ごろ開催された自民党の観光立国調査会が、徴収額を1人1000円とするとともに、出国税の通称「観光促進税」(案)とする決議をまとめたことが広く報じられている。
1000円の金額についてJTBは、「極端に高くも安くもない。バランスの取れた金額」との認識。同財源の使用目的を「観光振興に限定するのは大前提」とした上で、負担者のメリットを考慮した使途が必要とし、特に日本人出国者に係ることを踏まえて「若年層のパスポート取得促進」策などを例示した。今後も、様々な場で提案していく考えも示した。