経済産業省はこのほど、「訪日外国人消費指数の動きとアジア・欧米からの訪日客の消費行動比較」と題する調査レポートを発表した。訪日外国人の消費金額を、消費者物価指数を用いて「実質指数化」し、費目ごとに算出。「訪日外国人消費指数」として動向を把握できるようにした。宿泊料金、飲食費、交通費、娯楽サービス費、買い物代、その他の6系列について算出した。
それによると、2010年の訪日外国人指数を100とした場合、2017年第1四半期の指数は319.6、第2四半期は332.7となり3位連続で上昇。年単位では、2016年の指数値301.7を大きく上回る状況となった。
費目別では、買い物代は高水準で継続するものの、2017年第1四半期と第2四半期はほぼ横ばいに。一方で、宿泊料金、飲食費、交通費は安定的に上昇。娯楽サービス費は第1四半期に大きな伸びを見せた後、第2四半期は前期比マイナスとなった。2017年の買い物代指数は2010年と比較して4倍以上の460という高水準で推移しているものの、伸びは大きく鈍化している様子が確認できる。
費目別の訪日外国人消費指数の推移は以下のとおり。
地域別では、アジアと欧米に分けて消費指数を算出。2010年を100とした場合、アジア消費指数は2017年第1四半期で384.1、第2四半期で391.5。4期連続での上昇がみられた。一方で欧米指数は第1四半期が199、第2四半期が218.2となり、3期連続で上昇した。
費目別にみると、アジアは飲食費の構成比が最多で、次いで買い物代、宿泊料金と続く。欧米では宿泊料金の構成比が最多で、飲食費が続き、アジアと比較すると買い物代が低く、交通費が高い傾向となった。
アジアと欧米の訪日外国人消費指数の推移比較は以下のとおり。
費目指数は、「訪日外国人消費動向調査」(観光庁)の訪日客1人当たりの費目別(宿泊、飲食、交通、娯楽、買物、その他の6項目)売上高に、「訪日外客数」(日本政府観光局)を乗じて訪日外国人旅行消費金額を算出。消費者物価指数(総務省)を用いて実質指数化した。
報告書全文は以下から参照できる。
「訪日外国人消費指数の動きとアジア・欧米からの訪日客の消費行動比較」(PDFファイル、全31ページ)