新春の恒例行事となっている日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)の新年会が1月9日に開催された。新年会には、同会会員のほか、旅行会社、政府観光局などのトップが集結。また、大使館から各国大使が参加し、業界が一丸となって海外旅行の促進に向けて取り組む姿勢を確認した。今年は、海外旅行促進への取り組みで新税「国際観光旅客税(仮称)」が有効に活用されることへの期待も高まっている。
冒頭のあいさつにたったOTOA会長の大畑貴彦氏は、海外渡航者数が上向きになった一方で、テロや北朝鮮のミサイル問題などで苦戦した昨年の海外旅行市場を振り返った。また、旅行業界の信頼を損ねる形となった「てるみくらぶ」の騒動にも言及。業界内で対策は実施されるところまで至ったものの「旅行者から預かった旅行費用は早期にサプライヤー(ホテルや航空会社)に支払うことが、消費者の被害を最小限にすることになる」と業界関係者に商習慣の改善を呼びかけた。
また、今年度から導入される国際観光旅客税について「その使い道にも目を向けていきたい」として海外旅行者へのサービス向上や旅行促進に活用されていくことに期待感を示した。
新税「国際観光旅客税」で海外旅行の促進とサービス向上へ
観光庁からは審議官の秡川直也氏(写真右)が来賓として挨拶に。祓川氏は、観光が現政権下で大きな柱となっていることに触れ、観光産業にとって「いい環境」がそろうなかで霞が関(各省庁)全体が観光に取り組んでいることを強調した。
また、新財源についても言及。これまで観光施策がインバウンド中心に動きてきたが、国際観光旅客税が出国者の4割を占める日本人からも徴収することもあり、海外旅行者である日本人にたいしても「効果的な活用をしていく」と話した。
国際観光旅客税の使い道については、日本旅行業協会の志村格理事長(写真右)も期待を表明。今年は、新財源により「次元の違う観光行政にある年になる」と話し、外務省の「たびレジ」などセキュリティ面での高度化に期待した。