ウーバー(Uber)は、eVTOL(電動垂直離着陸車両)の小型航空機での移動実現に向けて開発を進めている「UberAIR(ウーバーエア)」について、試験飛行を行なう最初の都市を国際的に公募することを発表した。
試験飛行都市として、すでに米国のダラスとロサンゼルスが発表されているが、3番目の都市は世界的に公募。この3都市にウーバーエアのフライトを最初に提供する。試験飛行は2020年に行ない、2023年に商用サービス開始を目指すという。
これに伴い、ウーバーは試験飛行都市に適合する条件の参考も提示。理想的な都市として、「都市部の領域内に密集度の高い地域が複数存在し、激しい交通渋滞に直面している、一極集中ではない都市」を掲げた。大規模で分散した都市では、時速240~320キロのウーバーエアで、移動時間を大幅に短縮できるメリットがあるという。その他詳細は、ウーバーエアのサイト(Uber.com/air )へ。公募の締め切りは2018年7月1日まで。
またウーバーは、ウーバーエアの離着陸拠点となる「Skyport」の最終デザイン案を公開。数十件の応募のなかから、6つのコンセプトを選出した。
離着陸拠点は、スタジアムやコンサートホールのような収容人数の多い施設で行なえるように設計。今回のコンセプトの必要条件は、床面積1万2000平方メートル以内で、1時間に4000人以上の輸送を規定した。最終デザイン案は以下の通り。
「Uber Elevate Skyport Challenge」6つの最終デザイン案
▼Gannett Fleming社 「The PAW」(ポー)
- 肉球のある動物の足のようなデザイン。1モジュールあたり1時間に52機の離着陸を想定した設計で、2028年までに1時間に600回・4000人の輸送に拡張できる可能性を備えた。太陽光での充電も可能。
▼Pickard Chilton社とArup社の共同グループ 「Sky Tower」(スカイタワー)
- 1つのモジュールで1時間あたり180回の離着陸が可能で、ピーク時には1モジュールあたり1時間最大1800人を輸送。モジュールは垂直・水平方向に組み合わせが可能で、都市の風景になじむ形状にできるという。
▼Corgan社「CONNECT」(コネクト)
- 一般道や高速道路で区切られた都市のあり方を見直すコンセプトで設計。高速道路のネットワークを活用し、新たな移動の動脈を作り上げる。離着陸回数は1時間あたり1000回。
▼Humphreys & Partners社 「Uber Hover」(Uberホバー)
- 蜂の巣をモデルにし、航空機は複数のポートに蜂のように出入りする。各階ごとに1時間当たり900人の利用客に対応。持続可能な資材を用いて電力を供給し、周辺地域にも還元できるエコシステムとなる。
▼The Beck Group 社 「The Hive」(ハイブ)
- 過去の交通ハブと六角形の蜜蜂の巣をインスピレーション得て設計。1時間当たり離着陸は150回。最大1000回まで調整可能。
▼BOKA Powell 社 「Skyport Prototype」(スカイポート プロトタイプ)
- 離着陸1000回に対応。風向きの変化に応じてオペレーションを反転させることが可能で、平均3分以内の離着陸が可能。(画像の発表なし)
ウーバーエアのイメージ動画