若者が海外旅行をけん引する時代に、シニア層が消極派に変化、団塊世代の半数が「海外旅行を卒業」へ ―JTB総研

JTB総合研究所はこのほど、日本人の海外旅行に関する調査をおこない「海外観光旅行の現状2018」としてとりまとめた。

それによると、日本人で実際に海外旅行に出かけた人数(実質海外旅行者数)は1137万人(延べ1789万人)、実質出国率は9.1%(延べ14.4%)と推計。2012年の出国者数(1124万人、実質出国率8.8%)を超えて過去最高になった。

海外旅行に出かける層をみると、2018年の調査では、海外旅行経験者のうち年一回は定期的に海外に行く「海外旅行コア層」の割合が7.2ポイント減の39.2%と減少。一方、2~3年に一度は出かける「海外旅行準コア層」が3.7ポイント増の30.6%、何かきっかけがあったときだけ行く「海外旅行ライト層」が3.3ポイント増の21.6%と増加。増加した「準コア層」「ライト層」が旅行をした理由の最多は、「家族や友人からの誘いがあった」。ライト層では「卒業や結婚、周年記念などのライフステージの節目だった」が他の層より多い結果になった。

JTB総研:報道資料より

18~22歳が海外旅行に積極的、シニア層は「頻度を減らす」傾向に

今後の海外旅行意向をみると、18歳から22歳のポストミレニアル世代で「頻度を増やしたい」(46.8%)、「これからは行きたい」(19.8%)となり、世代別で最も高い意向を示した。一方で、68歳から72歳までの団塊世代は「頻度を減らしていこうと思う」(16.6%)、「行っていたが、今後は行かない」(21.5%)、「行っていない、今後も行かない」(11.9%)と回答し、これら合計で5割が海外旅行からの「卒業」または卒業に向かっていることが判明。73歳から80歳までのキネマ世代では、さらに多い合計70.9%が海外旅行に消極的な結果となった。

ポストミレニアル世代で今後旅行に行く理由の最多は「ライフステージの節目があり、自由な時間が増えそう」、次いで「金銭的余裕が出てきたので」。今後旅行に行かない(頻度を減らしたい)理由では、団塊世代とキネマ世代ともに「体調不良や体力の衰えを感じるようになった」が最多。また、「旅行の計画や予約が億劫になってきた」との回答も比較的多い結果に。年齢を重ねるにつれ、海外旅行へ行くことやその準備が厳しくなってきている様子がうかがえる結果となった。

JTB総研:報道資料よりJTB総研:報道資料より

この調査は、2018年6月27日~6月30日に実施したもの。対象は、全国に居住する18~79歳の男女で、2017 年1月以降 2018年6月までに海外観光旅行(ビジネス旅行を除く)をした2060名。


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