全日空(ANA)はこのほど、九州佐賀国際空港をイノベーション推進の拠点に選定した。ANAグループが取り組む先進技術を1拠点に集め、働き方改革を実施。ロボットスーツを活用した手荷物や貨物の積み込みと積み下ろしなどを実用化し、少子高齢化、人口減少社会の社会課題解決に取り組む。
具体的にはロボットスーツの導入のほか、リモコンによる航空機の移動・けん引、手荷物の自動積み付け技術やコンテナ搬送の自動化などを技術検証し、実用化を目指す。
ANAの代表取締役専務執行役員の清水信三氏は「生産年齢人口の減少による担い手不足が地方空港を中心に顕在化し、労働集約型産業である航空業界もその働き方を大きく変えていく必要がある」と言及。人と技術の融合・役割分担の見直しを図ることで、重労働や単純作業から解放し、付加価値の高い仕事へとシフトさせていきたいとしている。
なお、佐賀空港をモデル空港に選定した理由については、特殊性が少なく他空港への展開が図りやすいこと、ANAグループが直接オペレーションを行い、実験的な取り組みの環境がそろっていることだという。