平成に代わる新しい元号が2019年4月1日、「令和(れいわ)」に決まり、菅義偉官房長官が首相官邸で発表した。皇太子さまが新天皇に即位する5月1日に施行される。観光業界では、発表にあわせて新たな元号を記念した商品を発売を始めている。
御用邸や一般参賀ツアー続々、ホテルでは氏名に「令和」の文字で割引や特典
歴史的な一日のもと、旅行業界も慌ただしく動いた。KNT-CTホールディングスのクラブツーリズムは、芝桜の時期に合わせ皇室ゆかりの沼津御用邸記念公園を観覧する記念ツアーをいち早く発表。日本旅行も新元号の発表に伴い、新天皇の即位初となる一般参賀に案内するバスツアーを発売開始した。
ホテル業界も活発だ。横浜ベイホテル東急は平成最後ならではの特典を盛り込んだウエディングプランを「<改元記念>令和元年プラン」として改めて発表。即位の日の5月1日と即位礼正殿の儀である10月22日に挙式のカップルには、新婦2点目の衣裳をプレゼントする。新宿ワシントンホテルも予約者氏名に「令」か「和」の漢字が含まれるほど、レストランの割引率が高くなるキャンペーンを実施する。
また、ミシュランにも掲載されているホテル龍名館東京は、平成最後の4月30日にホテルで令和へのカウントダウンを迎える宿泊者向けの特別プランを発売し、全員の「令和」の刻印入り升の特典をつける。宿泊予約サービスのRelux(リラックス)も、今回で248個目となる元号決定をちなんで「令和元年 旅はじめキャンペーン」として、先着2480名に令和元年5月1日からの宿泊で利用できる2480円のクーポンをプレゼントする。
それぞれの花を大きく咲かせる
「令和」の典拠は日本に現存する最古の歌集「万葉集」の梅の花の歌の序文にある「初春の令月にして 気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭(らん)は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す」。安倍晋三内閣総理大臣は記者会見で、「令和には人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ意味が込められている。新しい元号の下、一人ひとりの日本人が明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そういう時代を国民の皆様と共に築き上げていきたい」などと、一部で平成時代のヒット曲「世界に一つだけの花」を例に挙げながら語った。