「パーソナライズ」と「カスタマイズ」はどう違う? 旅行マーケティングで対応すべきポイントをまとめた【外電】

パーソナライゼーションの重要性は、旅行者はもちろん、旅行サービスを販売したり運営したりする旅行会社にとっても増すばかりだ。利用者個人の好みに合わせた(=パーソナル化された)体験は、オンラインでも実生活でも、顧客満足度やブランド向上にとって有益であることが広く認められている。

パーソナライズをおこなう機会は、今や、プロダクトデザイン、サービス提供、インターフェースの使いやすさ、マーケティング上のコミュニケーション術にあふれている。そして、旅行体験のパーソナライゼーションは、範囲が広いため極めて複雑だ。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が公開した英文記事について、同社との提携に基づきトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

旅の目的や行程の種類に応じて、個人旅行者には幾つもの顔があるかもしれない。旅行の背景にある文脈を理解することが、すべてのパーソナライズ活動につながる。

従来の市場セグメント化では、人口統計に基づいて消費者を分析することで、コンバージョンファネルの最終段階に位置づけようとしていた。しかしパーソナライゼーションはより「動的な」マーケティング手法に基づく。ファネルを逆にして結果から考え始め、求める結果に行き着く行動を特定すべくタッチポイントをさかのぼっていくのだ。

ユーザー体験を最適化すべく、旅行者の明示的な好みはもちろん、過去の実績から推測できる「シグナル」をもとに実践できる、3つの基本的なアプローチを紹介しよう。

  • カスタマイゼーション:これは、消費者が提供する明示的なシグナルに基づいてコンテンツとメッセージを変化させている。例えば、ホテル検索で“大人2人と子供2人”と入力すると家族の写真が表れるといった具合だ。

  • インディビジュアライゼーション:過去の顧客の信頼できるサンプルから導かれる受動的なシグナルに基づいてコンテンツとメッセージを変化させている。例えば、吹雪が続いた後にニュースレターを通じてリゾートバケーションを提案すると、その予約率が高まるなど。

  • パーソナライゼーション:パーソナライズでは、カスタマイゼーションとインディビジュアライゼーションの両方を活用してコンテンツとメッセージを変化させる。これには、顧客が意図して共有した個人識別情報(例えば、プロフィールに記載した好みやサイトのナビゲーション履歴、購買行動など)が含まれる。

提案をおこなうには、ユーザー各自の感性への訴求も欠かせない。最善の成果を得るための提案は、正しい対象者に対して、アクセスしやすく、感情的に受け入れやすく、価値を生み出すものでなければならない。しかし、「価値」は最も難しい要素といえるだろう。期待する恩恵とコストの比べ方は旅行者によって異なるからだ。

完璧な提案を作り上げるため、マーケティング担当者は商品と流通をうまく混ぜ合わせなければならない。これは、ぴったりの体験、場所、商品、サービス、価値、期間、日付、値段、予約手段、プラットフォーム、経路、ゲスト、属性、行動、コンテンツ、メディアが必要となるという意味だ。

注意しなければならないのは、高度にパーソナライズしたマーケティングキャンペーンと個人のプライバシー侵害の間の一線だ。この境界線は人によって異なるもので、マーケティング担当者がコントロールしてはいない。

パーソナライゼーションでは前後関係などの文脈を把握することがとても重要だ。質の高いデータと信頼できるシステム、関連性がありクリエィティブなメッセージ――。これらがなければ、文脈を正しく推察するのがかなり難しくなるのだ。

今回の記事は、フォーカスライトの最新のトラベル調査レポート「旅行イノベーション&テクノロジ―動向2019(Travel Innovation and Technology Trends 2019)」の抜粋だ。2019年のトレンドに関する詳細な分析は、2019年の流行の詳細な分析は、以下から入手できる。

Travel Innovation and Technology Trends 2019(英語)

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が公開した英文記事について、同社との提携に基づきトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

※オリジナル記事:Personalization or customization?


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