日本政府観光局(JNTO)によると、2019年年間の訪日外国人数(推計値)は、前年比2.2%増の3188万2100人で、過去最多を更新した。
市場別では韓国を除く19市場で過去最高を記録。中国が14.5%増の959万4300万人となり、全市場で初めて900万人を突破したが、韓国が25.9%減の558万4600人で前年から約200万人減少した。韓国は12月単月も63.6%減の24万8000人で、回復の兆しは見えなかった。
ラグビーワールドカップ日本大会を契機に大幅に増加した欧米豪市場は、年間を通じても好調な伸びで推移。特に3チームが参加した英国は9月と10月に80%増となり、年間でも27.0%増の42万4200人で初めて40万人を上回った。
このほか、東南アジア市場も新規就航や増便の追い風で、特に後半にかけて伸長。なかでも、フィリピンは21.7%増の61万3100人、ベトナムは27.3%増の49万5100人となり、年間で2割増の推移となった。
また、2019年12月の訪日外国人数は、4.0%減の252万6400人で、3か月連続で前年割れとなった。JNTOでは6割減となった韓国の減速が、訪日外客数全体でも前年を下回った要因だとしている。
訪日外国人数の2019年の月次推移と市場別の数値、この10年の年次推移は以下のとおり。また、観光庁が発表した2019年の訪日外国人旅行消費額(速報・推計)は、前年比6.5%増の4兆8113億円。一人当たりの旅行支出も3.5%増の15万8000円に増加した。ただし、一人当たりの旅行支出を市場別で見ると、増加したのはフランス(10.1%増の23万7648円)、英国(9.3%増の24万1530円)、タイ(5.2%増の13万912円)の8市場のみ。中国をはじめ、訪日旅行者数の多い市場では、一人当たりの旅行支出は減少傾向となった。