奈良市の商店街で観光客のゴミを引き取る実証実験、否定的な意見はゼロ、鹿の誤食防止の効果にも期待

奈良市は2019年10月12日~12月27日に実施した、中心市街地の商店街などで観光客のゴミを引き取る「奈良市おもてなしエコ活動」実証実験の結果を発表した。

これによると、参加した計12の店舗や施設には1日平均12.1件、合計935件のゴミの引き取り依頼が発生。ペットボトルを含むプラスチック類と缶、瓶が全体の4分の3を占め、観光中ののどの渇きを潤した飲み物の容器を始末するニーズが高いことがうかがえた。利用した観光客からは賛同や感謝の声が多く、否定的な意見や改善を求める声はなかったという。

参加店舗・施設側も今後の取り組みについては「続ける」「条件付きで続ける」の意向を示し、「続けない」はゼロだった。営業やごみ処理に対する負担については、「少し負担」が若干あったものの、概ね「問題ない」が多く、「この取り組みの認知度を上げてほしい」など前向きな意見が多かった。

一方で、「飲食店の場合は、観光客が店内にゴミだけを持って入ってくるのに抵抗がある」との意見や、外国人観光客との会話や引き取り件数が激増した場合の影響を不安に思う声も上がった。

奈良市では実証実験の結果として、観光客から一定のニーズがあることを確認。観光客のおもてなしに繋げると同時に、店舗が観光客に接する機会として、観光客と店舗を繋ぐツールとしても期待できるした。さらに、参加店舗のおもてなし機運の醸成や、鹿の誤飲防止の啓発、奈良市の街のイメージアップにもつなげることができるという期待も示した。

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