国際的な市場調査会社であるユーロモニターインターナショナルは、2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって最も打撃を受ける消費財は、高級品(Luxury Goods)とする予測を発表した。同社によると、当初の予測では、2020年の世界の高級品市場は前年比で3%伸長し、市場規模は1兆ドル以上に達するとされていたが、COVID-19による影響は大きく、2020年第2四半期では前年同期比で18%減少と下方修正された。
最も影響を受けているのはアジア太平洋地域で、中国市場での2020年の売上は同22%落ち込み、金額にして680億米ドル(約7兆2760億円)の損失が予測されている。また、アメリカでも、520億ドル(約5兆560億円)の損失が見込まれている。高級品の主要生産国であるイタリア、フランス、イギリスでも、世界の富裕層観光客が高級品を購入する場所でもあるため、厳しい状況が続くと見ている。
同社高級品業界統括マネージャーのフラー・ロバーツ氏は、「世界中で取られているロックダウンは、高級品に対する消費者の購買行動、販売チャネルの選択、旅行計画に大きな変化をもたらしている。消費者の購買意欲は著しく減退し、特にプレミアムな価格帯の製品は影響を受けている」と分析している。
一方で、中期的には比較的早く回復すると見ており、その理由として急速な高級品のEコマース化を挙げている。
*円換算は1ドル107円でトラベルボイス編集部が算出