国土交通省は、2020年2月、三大都市圏の「関係人口」に係る実態調査を発表した。関係人口とは、移住でも観光でもなく、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な関わりを持つ人たちのこと。
それによると、特定の地域を訪問する関係人口(訪問系)は回答者のうち23.2%を占めた。これは、18歳以上の居住者約4678万人のうち、約1080万人にあたると推計される。その内訳は、地縁・血縁先以外の地域で飲食や趣味活動を行う「趣味・消費型」が一番多く10.5%。次いで「参加・交流型」が5.8%、「就労型」が3.9%、「直接寄与型」が3.0%と続いた。
「関係人口」の認知度について調べたところ、「定義や考え方などを概ね知っている」と回答した人が2.8%、「言葉は聞いたことがあるが、詳しくはわからない」と回答した人が6.7%となり、認知はまだ広まっていない結果となった。
関係人口ではない人に対して、関係人口への関心を聞いたところ、「特にかかわりを持ちたいとは思わない」が70.7%と圧倒的な結果に。その理由として、「特に理由がない」が一番多く40.2%。次いで「経済的な負担が大きい」が29.2%、「時間的な負担が大きい」が27.9%となった。
地域の産業創出や地域づくりに参画する「直接寄与型」の現地での過ごし方で最も多かったのは「地域のボランティアや共助活動への参加」(回答者数749人のうち497人)。そのほか、「地域の町おこしプロジェクトへの参画」(201人)、「地域で新しい仕事(産業)の創出」(151人)などとなり、地域の人との交流やコミュニケーション、人脈づくりを意識している結果となった。
関係人口の関わり先では、東京都で41.4%が首都圏都市部、2.2%が中部圏、6.3%が近畿圏となった一方、地方部に関わりを持つ人も28.5%存在することが分かった。同様に、大阪市でも55.1%が近畿圏、5.1%が首都圏都市部、1.4%が中部圏となった一方、21%が地方部と関わりを持つ結果となった。