楽天やサイバーエージェントなどIT企業の経済団体「新経済連盟」は2020年7月18日付で、政府に対して、「GoToトラベル事業の延期に関する緊急申し入れ」を行なった。「コロナが蔓延するリスクが極小化したと判断できるまで」事業開始を延期するよう、要請した。
安倍総理大臣と赤羽国土交通大臣、西村内閣特命担当大臣宛てに、代表理事・三木谷浩史氏の署名で要請したもの。三木谷氏は、新型コロナウイルスの感染者数が急増する状況で、このままGoToトラベル事業を行なった場合、「医療崩壊してしまう地域が出る可能性が危惧される」と指摘した。
同時に、同文内で「旅行観光宿泊業等に携わる方々を助け、日本の当該産業を継続させることも非常に重要」とも強調。同産業に対する資金繰り対策等の経済的支援など、従前からの支援措置等の継続に加え、「よりきめ細やかな、新施策の設計、施行」についても申し入れた。
同日更新したTwitterで三木谷氏は「流石にGoToは、感染が落ち着いてからにしないと行けないと思う。政府は、これを決定したタイミングではこのように陽性患者が急増するとは想定していなかったはずなので、臨機応変な対応をして欲しい。」とツイート。楽天トラベルがサイトでGoToトラベルを紹介していることを指摘されると、楽天トップとして自社の対応で「現場には現場の判断があるとは思いますが、再考するようにお願いしました。」と返答している。
7月22日開始予定の同事業について、政府は感染状況を踏まえ、7月17日に東京除外や団体旅行等の取扱いなど、一部の方針転換を発表したところ。今回、同団体が実施延期を申し入れたことで、国内大手OTAの楽天トラベルを筆頭に、同団体の加盟企業がキャンペーンへの参加に影響することも考えられ、対応が注目される。