京都市と京都市観光協会(DMO KYOTO)は、持続可能な観光に向けて、「京都観光行動基準(京都観光モラル)」を策定した。この行動基準は、策定の目的や京都観光の意義を示した「理念」と京都観光で大切にしていくべきことを記した「行動基準」で構成。観光事業者・従事者、観光客、市民に向けて、大切にすべき行動をまとめている。
観光事業者・従事者に向けては、地域とともに事業が持続的に発展していくための、地域活動への協力、観光客への質の高いサービス・商品の提供、災害などに備えた事業活動を行動基準として掲げる。
観光客には、京都をより深く味わい、楽しむための、地域のルールや習慣を敬った行動、環境にやさしい観光、京都の人々とのふれあい・交流を求める。
市民には、京都に暮らす誇りを持ち、かけがえのない京都の魅力を将来に引き継いでいくための、京都の歴史・文化の理解や自然・まちなみの保全への協力、観光客へのあたたかいおもてなしを挙げる。
京都市では近年、外国人観光客の急増などで、一部の観光地の混雑や、文化・習慣の違いによるマナー違反などの観光課題が発生し、市民生活にも影響が生じていた。現在、新型コロナウイルスの影響で、京都観光も大きな打撃を受けているが、京都市としては、今後回復に向けて、コロナ禍以前の状態に戻すのではなく、市民生活と地域文化を重視した観光を目指していく。