観光庁は、GoToトラベルの不正受給に関する調査状況のうち、旅工房に関連した状況でこれまで把握している事実関係と今後の対応について明らかにした。その結果から、今後開始予定の新たなGoToトラベル事業において、旅工房の参加を停止すると発表した。
また、旅工房が関わった地域共通クーポンの不適切使用では、東横INN新横浜駅前新館と品川大井町に加えて、ロディソンホテル大阪上本町パラディアおよび京都七条、ハートンホテル東品川、ベニキアカルトンホテル福岡天神、HOTEL TRAD Replayのクーポン取扱店舗の登録を取り消す。
調査によると、旅工房は、法人顧客から提供された名簿の名義を使用し、宿泊の実体が伴わない契約であるにも関わらず、旅行割引分として、GoToトラベル事業に関する給付金計2億8336万円の給付申請を行ったが、実際の給付は受けていなかった。また、地域共通クーポン計1億2145万5000円分の発行を受け、うち9363万9000円を実際に使用した。
旅工房は、ジャパンホリデートラベルに宿泊施設手配等の業務を委託し、ジャパンホリデートラベルが複数の宿泊施設の手配を実施していた。
GoTo事務局の調査によれば、本来2万240人泊分使用されるべきところ、少なくとも1万1014人泊分の宿泊が行われていなかった事実が明らかとなっているが、いまだ不明な部分もあることから、宿泊実体に関しては、今後さらに調査を継続する予定。
旅工房が発行を受けた地域共通クーポンについては、法人顧客および宿泊(予定)者には渡されず、手配された複数の宿泊施設において使用されたことが確認された。「サービス産業消費喚起事業(GoToトラベル事業)地域共通クーポン取扱要領」上、宿泊代金または宿泊を伴う旅行商品の代金にクーポンは使用できないが、該当する7ホテルで本来は宿泊代金に含まれるべきリネン・清掃代などに対して一律に充てられていた。
観光庁は今後、事実関係を更に精査のうえ、関係する法人などに対して、クーポンのうち不適切な使用分の返還を請求し、刑事告訴も視野に入れつつ、捜査機関と十分に連携しながら、引き続き必要な調査を進めていく考え。
また、これまでの調査の中で、トラベル・スタンダード・ジャパンについても、同様の不適切な給付金受給事案に関与している疑いが明らかになっていることから、全体像の解明に向けた調査を進めていく。