ブッキング・ドットコム・ジャパンの北アジア地区統括リージョナル・ディレクター、竹村章美氏が、2024年を迎えるにあたって年頭所感を発表した。
竹村氏は2023年、旅行者やパートナー各社に多大な迷惑と心配をかけたことを改めてお詫びするとともに、信じて励まし続けた旅行者とパートナーに対する御礼を述べた。
そして2024年は、旅行者調査による「旅行トレンド予測」で、旅が非日常から「最高の生き方をするためのきっかけ」にシフトしていく傾向が見えたと説明。そして、旅行先として日本は計り知れない魅力があるとも言及。サステナブルな旅行やAIによるパーソナライズされた自由度の高い旅行体験などにも注力しながら、世界の旅行者の誘致と旅行体験の提供に、尽力する意欲を示している。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
年頭所感
新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
2023年は、政府が新型コロナウイルスに伴う水際対策を4月末に終了したことを受け、インバウンド需要が本格的に回復した年となりました。Booking.comにおいても、世界全体でビジネスが拡大し、第3四半期の地域別宿泊数の伸びをみると、アジアは前年同期比約35%増となりました。特に日本においては、順調な国内旅行に加えて、インバウンド需要が大幅に回復したことが好調な成長につながりました。
一方で、2023年後半は、お客様、パートナーの皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしたことも事実です。あらためてお詫びを申し上げるとともに、私たちを励まし、信じてくださった多くのお客様、パートナーの皆様に御礼申し上げます。弊社といたしましては、今後もより良いサービスをご提供できるよう、また、業界のリーディングカンパニーとして責任を果たすべく、2024年も社員一体となって取り組んでまいります。
弊社が毎年発表している、世界の旅行者を対象に実施した調査を元に分析した「旅行トレンド予測」では、2024年、旅は日常から抜け出すための手段ではなく、最高の生き方をするためのきっかけであるという、まさに「Travel is LIFE」という考え方にシフトしていくことが明らかになりました。「すべての人に、世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げるBooking.comでは、それを踏まえて、旅のもたらす価値や力をより掘り下げていきたいと思います。
例えば、「旅行トレンド予測」から見えてきた2024年のトレンドの一つに、旅先でグルメをただ堪能するだけではなく、食を通じた風土や文化、作り手の職人技など、様々な背景を含めて楽しむための「五感で味わい、風土を想う食体験」―ガストロノミー的な旅を求める傾向が見えています。実際、世界の旅行者の81%が「2024年はその土地ならではの料理に挑戦したい」と回答しており、「旅を通じて本質を知る」ことへの関心が高まっている様子が調査からうかがえました。また、「水を通じて、生きている実感に触れる旅」も2024年のトレンドの一つです。昨今、世界各地で記録的な暑さが観測される中、「住んでいる地域の気温が上昇しているため、休暇では涼を求める」と回答した世界の旅行者は56%で、2024年はより多くの旅行者が涼しい場所でリフレッシュしたいと考えることが予想されます。「スリープツーリズム」も新しい旅スタイルとして注目されているのも興味深いです。
2024年の旅行トレンドを捉えた際に、日本の旅行者にとっても、海外の旅行者にとっても、南北に長く四季のはっきりした日本には、その土地ごとに生み出された風土や文化をはじめ、日本独自の温泉や旅館文化など、旅行先としての計り知れない魅力があるといえるでしょう。弊社は2024年、インバウンドのさらなる強化により、世界中からより多くの旅行者を日本に誘致するサポートをしたいと考えていますが、日本ならではの魅力を意識して、とくに、国際空港がある主要都市だけでなく「ローカルデスティネーション」にも注力しながら、日本各地の観光需要を掘り起こすことに寄与したいと思っております。
さらに、2024年は昨年に引き続き「サステナブル・トラベル」を重視し、より一層の取り組みを進めてまいります。Booking.comの「サステナブル・トラベル」プログラムの認証制度は、2021年11月に取り組みを開始して以来、およそ2年が経過しましたが、弊社の認証バッジを取得する宿泊パートナー数も全世界で50万軒以上に増加しております。また、世界に比べて「サステナブル」への意識が低いと言われる日本においても、弊社が実施した「Sustainable Travel Report 2023」の調査結果をみると、「今後1年において、よりサステナブルな旅をしたい」と回答した日本の旅行者は、前年比10pt増の56%となり、日本の旅行者の「サステナブル・トラベル」への意識は年々高まってきています。旅行者が宿泊施設を選ぶ際の基準の一つとして、「サステナブル」な取り組みをしているかどうかが、今後ますます重要になっていくでしょう。
最後に、2024年はAIテクノロジーによって、お客様ごとに、よりパーソナライズされた「自由度」の高い旅行体験を提供していきたいと考えています。ビッグデータとAIテクノロジーを活用し、旅行者一人ひとりの心に響くような特別な体験を楽しんでいただきたいと思っております。その実現のために、弊社は、宿、フライト、アクティビティ、レンタカーまで1つのアプリで予約可能な、簡易的かつシームレスなサービスをお届けしてまいります。また、既にBooking.comを利用されるお客様のおよそ半数は、PCではなくモバイルアプリから宿泊施設やアクティビティを予約しています。Booking.comの調査では、「2024年は事前に計画を確定せず、五感に身を任せた旅がしたい」と回答した旅行者が55%にのぼりましたが、そうしたお客様のニーズにも柔軟にお応えできるよう、予約のフレキシビリティにも注力したいと思います。
これらを2024年の注力分野として掲げながら、「Travel is LIFE」を体現できるような最高の体験を旅行を通じてお客様にご提供できるよう、社員一同尽力してまいります。
本年も引き続き、Booking.comをどうぞよろしくお願いします。
ブッキング・ドットコム・ジャパン株式会社
北アジア地区統括リージョナル・ディレクター
竹村章美