世界的に航空運賃は値上がり傾向、理由は燃料費の高止まり・インフレ・低燃費の新航空機不足、国際航空運送協会が指摘

国際航空運送協会(IATA)は、ドバイで開催された年次総会で、今後、航空運賃が値上げされる可能性は高いと明らかにし、参加した主要航空会社は、パンデミックから回復する一方で、航空券の価格をさらに押し上げる要因を挙げた。

まず、パンデミック以降、継続している世界的インフレ。また、航空会社の経費の約3分の1を占めるジェット燃料の価格が依然として高止まりしていると同時に、脱炭素化に向けて進めている持続可能な航空燃料(SAF)の供給量も増えていないことから、その入手コストも高い。

IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は、「航空会社は、消費者のために、コストを可能な限り抑制するためにあらゆる努力を続けるだろうが、航空会社が引き続きすべてのコストを吸収できると期待するのは非現実的」と話した。

また、航空機の供給不足という面も航空会社にとっては頭の痛い問題。路線を拡大し、供給を増やして、全体的な価格を下げるために十分な新しい航空機がない。燃料消費の多い古い機体を飛ばさざるを得ない航空会社も多い。

IATAは、2024年の航空旅行者は約49億600万人、航空会社の総収益は過去最高の1兆ドル(約155兆円)近くに達すると予想している。一方で、航空会社の総費用も過去最高の9360億ドル(約145兆円)に達する見込み。それでも、利益は600億ドル(約9.3兆円)になると予想している。

※ドル円換算は1ドル155円でトラベルボイス編集部が算出

※本記事は、AP通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳・編集しました。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…