世界のクルーズ旅客数、2028年までに3500万人の予測、一方でオーバーツーリズム議論が過熱

米クルーズ業界団体のクルーズライン国際協会(CLIA)は、2028年までに世界のクルーズ旅客が、約3500万人となる見通しを示した。新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を超えた2023年の3170万人を10%上回ることになる。クルーズ各社は、旺盛な需要に対応して新造船を進めている。

また、クルーズ運営会社は、港湾に停泊中には動力源を海水を汚染する船舶燃料から電気に切り替えられるようにするとともに、2030年までに欧州連合(EU)海洋環境規制を順守するため船舶の適合化に取り組んでいる。

一方で、旅行者の増加に伴い、混雑した欧州の港湾都市ではオーバーツーリズムに関する議論が高まっている。スペインのバルセロナでは今月、住民が旅行客に水鉄砲で水を浴びせて抗議する事態が起きた。CLIAによると、バルセロナを訪れる観光客に占めるクルーズ旅客の割合は4%に過ぎないという。

欧州最大のクルーズ船寄港地であるバルセロナのコルボニ市長はロイター通信に対して、クルーズ船のバルセロナ港への終日停泊の回数を減らすために同港との新たな取り決めを模索すると述べた。

CLIAのローレン欧州事務局長氏は、暴力的な抗議活動が今後のクルーズ旅程に影響する可能性があると指摘。何らかの理由で旅客が適切なサービスを受けられないと考えられる場合には、クルーズ各社が旅程の調整も検討すると述べた。また、寄港地をバルセロナに代わる地中海のほかの港や、アジア、北欧、カリブ海に変更する可能性を示唆した。

※本記事は、ロイター通信との正規契約に基づいて、トラベルボイス編集部が翻訳·編集しました。

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