国土交通省は、「航空燃料供給不足に対する行動計画」を取りまとめた。地方への誘客促進に向けて、航空燃料の供給不足問題で地方空港を中心に新規就航や増便ができない状況の解消に取り組む。今後、この行動計画に基づいて、官民一体で対策を進めることで、当面、アジア便で週150便超相当の燃料の供給力確保を目指す。
行動計画では、短期の取り組みとして、新規就航・増便など各空港における需要量が把握可能な仕組みの構築、航空燃料の供給不足について調整が難航した場合の相談窓口の設置、空港への直接輸入の実施、製油所から空港へのローリー直送の増加や内航船への転用などによる輸送力強化、給油作業員の確保を実施する。
さらに、中長期的には、製油所・油槽所の既存タンクのジェット燃料タンク転用など供給力の確保、空港のジェット燃料タンクの必要な容量の確保、船舶の大型化、老朽化した荷役設備の更新など供給力の確保や輸送体制の強化に取り組む。
国交省は、インバウンド需要が急回復するなか、全国で発生している航空燃料の供給不足が外国航空会社の新規就航などに影響を及ぼし、インバウンド拡大の足枷になっていると認識。そのため、経済産業省資源エネルギー庁と合同で「航空燃料供給不足への対応に向けた官民タスクフォース」を設置し、官民一丸となった対応策を集中的に検討してきた。
今後、タスクフォースにおいては、行動計画の各施策に基づいて、空港ごとに新規就航や増便の改善状況をフォローアップしていく。