地域で「観光DX人材」を育成できるJTBのプログラムとは? 自治体やDMOの課題を解決するその特徴と強みを聞いた(PR)

観光DXが重要性を増すなか、観光産業ではデジタル領域での人材不足が大きな課題となっている。そこでJTBは、自治体やDMO(観光地域づくり法人)の職員や会員である観光事業者向けに「観光DX人材育成プログラム」の提供を開始した。AIやDX関連の人材育成プログラムを提供するスキルアップNeXt社と共同で、観光産業に特化した実践的な講座として開発したものだ。

今年5月の提供開始後、全国の自治体やDMOの注目を集め、2024年7月下旬時点で17講座の実施が決まった。JTBでは、高まるニーズに対応し「その地域の実情に合わせたプログラムを提供する」ことを重視しているという。その考えをJTBの担当者に、そして、地域のフォーラムで同プログラムの講座を実施した感想を、山口県観光連盟の担当者に聞いた。

4つの基本講座、要望に応じて柔軟にカスタマイズも

観光DX人材育成プログラムは、持続可能な観光地づくりに向けて、地域の観光振興にかかわる自治体やDMO、地域の観光事業者が直面する、デジタル活用に関する課題解決に焦点をあてて開発された。講義に加えて、ワークショップやディスカッションを通して、観光施策の構築方法や、観光事業者特有の業務フローの最適化など、実際の業務に活用できるように構成している。

JTBのエリアソリューション事業部 観光DXチーム 開発推進担当マネージャーの佐藤佑弥氏は「観光DXの初動をサポートする内容で、地域の観光事業者が円滑にデジタルシフトできるように支援するもの」と説明する。

JTB エリアソリューション事業部 観光DXチーム 開発推進担当マネージャー 佐藤佑弥氏

「観光DX人材育成プログラム」の基本講座は4つのテーマで構成されている。

1つ目は「データ利活用編」で、観光産業におけるデータの重要性と活用方法に焦点をあてた講座だ。参加者は、顧客データの分析方法、マーケットトレンドの予測、サービス改善のためのデータ活用戦略など、データを効率的に活用するための具体的な技術を学ぶ。

2つ目は「データ前処理編」。この講座では、データ収集、加工、前処理の過程での失敗事例をもとに、問題発生の原因分析と解決策の立案方法を学ぶ。「あえて“落とし穴”を伝えることで、より効果的なデータ分析をおこなえる能力の育成を支援する」(佐藤氏)。

3つ目は「DXアイデアソン編」。自分の地域にはどのようなデジタルソリューションが適しているのか、アイデアを出しながら具体的なプロジェクト計画を策定するワークショップを実施する。アイデア出しだけでなく、課題を共有するのも、この講座の重要なポイントだ。

4つ目は「業務効率化編」。日常の業務プロセスを効率化するための自動化技術を学び、RPA(Robotics Process Automation)やAIを活用した業務自動化の基本から応用までをカバー。参加者が、自らの業務に自動化を導入するための知識と技術を習得する。

佐藤氏は「1から3まではストーリー性がある。言い換えれば、ビジネスの変革を進める『攻めのDX』。4はBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の領域で『守りのDX』。この両方を学べる講座だ」と説明する。

各講座は、基本的に各2.5時間で構成。受講する自治体やDMOの要望に応じ、2回に分けて1回あたりの時間を短くするなど、柔軟にカスタマイズすることが可能だという。

観光DX人材育成プログラムの4つの基本講座

「データ利活用編」を活用した山口県観光連盟、その効果とは

2024年3月に、山口県観光連盟が開催した「やまぐちDMOフォーラム」のメインプログラムとして、観光DX人材育成プログラムの講座の中から「データ利活用編」を実施した。

山口県観光連盟では2017年に登録DMO(地域連携DMO)になってから、観光客に対するアンケート調査や国の統計調査などを通じて、観光客の属性や数値の変化などを経年で可視化する取り組みを進めてきた。地域連携DMOとして各種施策の推進を図るには、地域全体でデータ分析に基づくマーケティングに取り組む必要がある。

そのためにも、データ利活用や観光DXに関する県内の自治体や地域DMO、観光協会の啓発が重要だ。その必要性は関係各所で理解されていたが、人員・ノウハウの不足やマーケティングに対する難解なイメージが障壁となり、取り組みが進まないケースが見られた。

山口県観光連盟のマネージャーの細井寛和氏は、「誘客の取り組みの検討・実施にはデータ分析に基づくマーケティングが不可欠。データから原因を突き止め、そこから仮説を立てていくためには、データとしっかり向き合わなければならないが、その環境が十分とは言えない」と、課題感を口にする。

山口県観光連盟 マネージャー 細井寛和氏

このような状況のなか、山口県の観光は国内外の注目が高まる大きなチャンスを迎えている。山口市がニューヨークタイムズ紙で「2024年に行くべき52カ所」のひとつに選ばれ、さらに、山口県がJRグループによる2026年デスティネーションキャンペーン(DC)の開催地に決定したのだ。「この好機を成果に結びつけるためにも、当組織はもちろん、会員である組織や事業者が、データに基づく戦略的な取り組みを進めていくことが重要」(細井氏)と考えた。

そこで山口県観光連盟では、フォーラムを山口県の観光マーケティングのキックオフとして位置づけ、テーマを「“基礎”から学ぶデータ活用マーケティングセミナー」と設定。「参加したDMOや自治体、事業者などがデータ利活用を考え、基礎知識を習得してもらえる場にしたい」(細井氏)という方針のもと、開催した。

その際、JTBには「講座の内容に、データの見方やそのデータを見たうえで考察する方法を盛り込んでほしい」と要望した。「データの経年変化を見ることはできるようになっても、その変化から考察することはハードルが高い」(細井氏)と考えたからだ。

これを受けてJTBでは、観光DX人材育成プログラムの特徴でもある実践的なワークショップで、各自が書き出した考察を発表し、互いの見解を考える機会を設けた。

細井氏は「これまでもデータを可視化し、活用する講座はあったが、他の人と同じデータを考察してそれぞれの意見を聞く機会は初めてだった。同じデータを見ても、人によって認識する事実・見え方が異なり、それによって解釈が変わるところが大いに勉強になった」と振り返る。だからこそ、「多くの参加者が、客観的なデータに裏づけられた取り組みをする重要性を実感したと思う」。

何より、本講座で自ら実践してみることで、データ利活用やデジタルマーケティングに漠然とした苦手意識を持っているような参加者も、「自分もデータを利活用して施策に取り組めるという当事者意識が芽生えた」(細井氏)と感じている。今後も、観光DXに関する意見交換の場を設けるとともに、地域の観光事業者ともデータ利活用の共通認識を高めていく考えだ。

山口県観光連盟が開催した「やまぐちDMOフォーラム」での講座の様子

「観光DX人材育成プログラム」の強みとは

JTBの佐藤氏は、観光DX人材育成プログラムの強みについて、全国に展開するJTB支店の存在をあげ、「各地域の支店が、自治体やDMOに近いところにいるため、それぞれの課題を聞きながら、解決する形を提案することができる」と強調する。

座学だけではなく、ディスカッションやワークショップなどを組み入れていることも特徴だ。「実際に議論を進めていくなかで、新たな課題が浮かび上がってくることもある。オンラインでなく、リアルに対面して、地域課題に向きあうことができるのも強み」(佐藤氏)と説明する。

また、このプログラムは、生成AIやDXなどの人材育成や組織構築を支援する「スキルアップNeXt」との共同開発により、JTBの観光領域での知見や洞察を入れ込みながら、観光に特化した内容として作り込んだものだ。佐藤氏は「単に既存の人材育成プログラムを観光事業に置き換えたものではないため、観光DXに特化した専門性の高いプログラムであることは大きな特徴」と自信を示す。

JTBが考える観光DXとは、効率化だけではなく、新しいビジネスモデルを創出すること。観光ビジョンを達成するためには、データに基づいて、PDCAサイクルを回していくことが大切になってくる。勘や経験ではなく、データに基づいてターゲットを絞り、プロモーションを打つ。佐藤氏は「データを利活用すれば、旅行者に最適な観光サービスを提供できるだけでなく、戦略の軌道修正も可能になる」と話し、自治体やDMOが本プログラムを利用するメリットを強調した。

動画:1分で分かる観光人材育成プログラム


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対象サービス:観光DX人材育成プログラム

問い合わせ:JTB 企業・団体向けサービスの新規問い合わせフォーム

記事:トラベルボイス企画部

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