大阪「通天閣」が入場券販売を刷新する理由とは? 観光施設の複雑なチケット管理問題を解決する仕組みと、地域の発展への意気込みを聞いてきた(PR)

大阪のランドマーク「通天閣」が、Eチケット予約プラットフォーム「リンクティビティ」のチケット販売管理システムを導入する。QRコードを活用したEチケットのオンライン販売と現地で販売する実券の販売から入退場、在庫状況まで一元管理できるサービスだ。2024年7月1日、新アトラクション「Dive&Walk」のオープンにあわせて、一部商品のサービスから稼働を開始した。

通天閣は、このチケット販売管理システムを、業務効率の改善はもちろん、来場者の利便性向上や地域観光の課題解決にもつながると期待して導入を決めた。なぜチケット販売管理が、地域の観光振興にも影響するのか? リンクティビティが「チケット販売管理のトータルソリューション」と自負する同システムの内容とともに、通天閣が導入を決めた理由、目指す未来を聞いてきた。

観光活性化の先を見越して、先手を打った通天閣

通天閣が今夏スタートした「Dive&Walk」は、地上26メートルの中間展望台屋上を一周する空中散歩と、地上約40メートルのタワー中間部から中間展望台を目掛けてダイブする体験が楽しめるもの。新世界の中心に位置する通天閣だけに、旅行者がイメージする大阪らしい街に飛び込むような体験ができる。通天閣では2022年に初の体験型アトラクションとなる全長60メートルの滑り台「タワースライダー」を開始したことで、年間の来場者数が約20万人純増。新アトラクションも、さらなる入場者増につながることが見込まれる。

なぜ通天閣は、同アトラクションの開業にあわせて、新たな入場券システム導入を決めたのか?

背景には、地域に観光客を呼び込むランドマークとして感じている3つの課題があるという。それは、「インバウンド販売の強化」「販売と在庫の共通管理」「オーバーツーリズム予防」だ。

国内の人口減少が進むなか、インバウンドは観光による地域活性化を推進するうえで欠かせない存在となった。そして、来訪客を増やすには「土日だけでなく、平日も平均して人を雇えるような体制を作らなければならない」(同代表取締役社長 高井隆光氏)といった観点も重要だ。これまで、積極的な海外プロモーションは実施してなかった通天閣も、海外エージェントへの販売強化に本腰を入れることにした。

通天閣 代表取締役社長 高井隆光氏一方で、インバウンドの強化によって、観光施設の運営に2つの課題が生じる。1つは、販売チャネルの多様化に伴う販売管理の複雑化だ。通天閣では現在、現地窓口での実券販売に加え、体験予約などのOTA経由で各種前売り券のオンライン販売をしている。海外エージェントへの販売を強化すると流通網が拡大するが、現地販売の実券とオンラインで流通するチケットは、一貫して管理できることが望ましい。

もう1つは、地域への来訪客が増えることによる、オーバーツーリズムの懸念だ。単月で過去最高の訪日客数を記録するようになった現在、新世界には国内外から多くの観光客が訪れ、通天閣の下に入場待ちの列ができることも珍しくない。2025年の大阪・関西万博の期間中になれば、さらに多くの観光客が来場することが予想される。来訪時間の分散化は待ったなしだ。

「今から対策をしなければ、という危機感がある。まだお客様に来ていただく余地はあるが、その整理をすることが必要。前売り入場券に時間帯予約などをつけることで、街の観光客数を平準化する役割を、通天閣が果たせるのではないかと思っている」(高井氏)。

リンクティビティのチケット販売管理システムとは?

リンクティビティは、観光関連のサプライヤーと国内外の旅行会社やOTAを結ぶ、BtoBのチケット販売プラットフォーム。紙の実券が主流だった観光サプライヤーのチケットを、QRコードを用いてEチケット化し、国内外への流通を効率化したことで大きな支持を得ている。

2020年のサービス開始から、導入するサプライヤーは急拡大し、大手交通機関をはじめ、観光施設、アクティビティ運営会社など、現在では400社以上と連携。リテーラーとなる旅行会社は、国内はもちろん、韓国や中国といった東アジア、欧米など世界300社以上に拡大した。

リンクティビティのプラットフォームと提供サービス

提供するサービスも拡充しており、サプライヤーには自社サイト上でのチケット販売や、他社の観光商品を組み合わせた企画商品の販売もサポートしている。

そして、このほど新たに提供を開始したのが、通天閣が先陣を切って導入した「施設入退場管理及びチケットの販売管理システム」だ。オンライン販売のEチケットと施設で当日販売する実券の販売から入退場、在庫状況まで、一元管理できるようにした。

この新サービスの実現にあたって、リンクティビティは現地で実券を販売するための券売機と入退場用の認証機(入退場ゲート)、管理用のPOS端末を開発。Eチケットと同じシステムを搭載した券売機で実券にQRコードを付与する仕組みを構築し、実券とEチケットの一元管理を実現した。

通天閣での取り組みの全体図

リンクティビティ西日本事業部部長の余小華(ヨ・ショウカ)氏は「最近、サプライヤーから在庫の一元管理が求められる声が増えていた。要望にはできる限り応えるのが当社の方針であり、強み」と開発の背景を説明。「顧客の課題解決に取り組むことで、当社のサービスも拡充してきた」と強調する。

また、現地券売機など各端末は多言語対応となっている。余氏は「今後は、どの観光施設も訪日外国人客の増加は避けられない。人手不足の中、インバウンド対応の業務効率化にもつながる」とアピールする。

リンクティビティ 西日本事業部部長 余小華氏高井氏がリンクティビティのサービスを知ったのは、大阪メトロからの紹介がきっかけ。同プラットフォームにはJRや大手私鉄などの交通機関をはじめ、様々なサプライヤーが参加し、海外エージェントへの販促や企画商品の販売などで活用していることを知り、信頼できると判断した。決め手は、実績と熱意だ。

「提案内容に対する費用感と納品スピード。出せる範囲で最高のパフォーマンスをしてもらえたと感じた。何より、スタッフの対応に好感を持っている。私は、システムは人だと思う。システムではなく、人を契約したと思っている」(高井氏)。

大阪・関西万博にあわせ、エリア活性化へ

チケット販売管理システムの導入第1号となる通天閣。まずは、新アトラクション「Dive&Walk」の利用券の現地券売機とPOS端末を稼働した。2025年4月には一般展望台の入場券や「タワースライダー」の利用券など、すべてのチケットで同システムを導入し、自社サイトを含む各チャネルで販売。入退場からチケット在庫まで、一貫した管理をする予定だ。高井氏は「通天閣で実用しながら、さらなる改善をしてもらえればいい。観光客にも地域にも良いサービスを作ることができれば、当社としてもうれしい」と話す。

前売り券には入場の時間帯を入れ、通天閣と地域への来訪時間の分散を図っていく。高井氏は「多くの観光客が訪れる2025年の大阪・関西万博はチャンス。必ず間に合わせたい」と考えている。

早くも話題になっている通天閣の体験型アトラクション「Dive&Walk」

コロナ禍には、緊急事態宣言や自粛要請に都度、影響を受けた。「通天閣が閉じると地域が閉じる」という地域の思いを背に、「コロナのピンチをチャンスに変える」(高井氏)と新たに取り組んだのが、年間20万人の来場者増を実現した体験型アトラクション「タワースライダー」だった。

そして、コロナ後にスタートした新アトラクション「Dive&Walk」を契機に、さらなるサービス開発も視野に入れている。チケット販売管理システムを活用した、土産品などの物販や、入場券とチケットホルダーなどセット商品の展開だ。さらに、近隣の商店や大阪市内の事業者らと連携した組み合せ商品にも発展させていきたい考え。

ゆくゆくは、「チケットのQRコードひとつで、通天閣だけでなく、新世界の串カツを食べたり、電車やバスに乗ったりして、大阪観光を楽しむ。地域内の決済ができるようになれば観光客の利便性は向上し、観光消費の拡大にもつながる。街をテーマパーク化し、その中心に通天閣がある。それを実現できるのが、リンクティビティのシステム」(高井氏)と期待している。

広告:リンクティビティ(Linktivity)

商品:施設入退場管理及びチケットの販売管理システム

問い合わせ: info@linktivity.co.jp

記事:トラベルボイス企画部

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