JTBが推進する「観光DX」、その強みと目指す未来を担当者に聞いてきた(PR)

JTBは、人と人、人と地域、人と組織の出会いと共感をサステナブルにつくり続ける交流創造事業のなかで「観光DX」を重要な事業と位置付けている。2024年2月には、エリアソリューション事業部内に観光DXチームを立ち上げ、より地域に寄り添ったDXの伴走支援を展開。10月には、「観光DX」での異業種との新たな共創を模索するため、デジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC 2024(シーテック2024)」にも出展する。

JTBが支援する観光DXと、その未来図とは? ツーリズム事業本部エリアソリューション事業部観光DXチーム企画担当マネージャーの中村友哉氏に聞いてみた。

さまざまなソリューションで地域の観光DXをバックアップ

JTBのエリアソリューション事業部は、交流を支える地域・エリアのしくみづくりを主な事業領域として、「観光DX」「観光地整備・運営支援」「エリア開発」の3つの事業に取り組む。このうち「観光DX事業」は、前身となる「観光地デジタル化支援事業」がその名称と事業内容を刷新し、今年2月に誕生した事業だ。その背景について、中村氏は「従来の『観光地デジタル化支援』は文字通り、観光地をとりまとめる自治体やDMOを対象とした支援事業という色が強かった。事業名の変更は、今後、行政・DMOに加え、地域の観光事業者や地域を訪れる観光客を含めた『三方よし』のDXの具現化に本格的に取り組んでいく、という姿勢を表したもの」と説明する。

JTBにとって、「三方よし」の概念自体は新しいものではなく、これまでも観光地・観光客・地域の事業者それぞれを対象とした各種観光DXソリューションを展開してきた。

例えば、体験アクティビティ商品やツアー商品の予約販売・在庫管理のプラットフォームである「JTB BÓKUN(JTBボークン)」。体験事業者の海外OTAへの販路拡大とともに、在庫・予約の一元管理を支援するサービスで、訪日旅行者のタビナカ体験の需要が高まるなか、事業者の業務効率化・売上アップをサポートしてきた。

JTBがKotozna(コトツナ)社と共同開発した宿泊施設向けソリューション「Kotozna In-room」は、宿泊者が自身のスマートフォンでの館内・周辺情報の閲覧や、施設側との母国語でのチャットコミュニケーションを可能にするツールだ。さらに、同ツールを「JTBデータコネクトHUB」を介して施設の基幹システムと連携すれば、館内サービスのオーダー、チェックアウト、オンライン決済までも宿泊者自身のスマートフォンで完結することが可能になる。手続きの待ち時間短縮による宿泊者の満足度向上に加え、宿泊施設にとってはコスト削減・業務効率の改善につながるDXソリューションだ。

自治体やDMO向けには、データ・マネージメント・プラットフォーム(DMP)「地域共創基盤」を提供してきた。地域内のさまざまなデータをデジタルで集積・連携し、カスタマー・リレーションシップ・マネージメント(CRM)の取り組みへの基盤をつくるサービスで、持続可能な観光地経営に役立つものだ。

このほか、デジタル領域での人材育成にも注力。人材不足の課題解決に向けて、自治体やDMOの職員、観光事業者を対象とした新たな教育研修「観光DX人材育成プログラム」の提供を、2024年5月から開始している。

地域の観光DXの課題とJTBの強みとは

JTBは、今後、これらの観光DXソリューションをより重層的に、地域の課題解決に向けて展開していきたい考えだ。

観光DXの必要性について、中村氏は改めて、コロナ禍を経た市場環境の変化を指摘する。「コロナ禍で地域がダメージを受け、現在も多くの観光施設・宿泊施設が人材不足でフル稼働できないなか、インバウンドの急激な回復によって現場の対応が追い付いていない。その需給とのギャップを埋めて事業を効率よく回していくためには、DXが欠かせない」(中村氏)。

特に、国が2030年までの目標として掲げる訪日6000万人に向けては、地方への誘客が必須になる。中村氏は、「都市部だけでなく、地方でもしっかりとDXを進めていかないと、観光全体の流れがつながらない。地方を訪れた観光客によりよい体験をしてもらうため、また地域が持続可能な経営を実現していくためにも、人材育成も含めた地域の観光DX化を進めていくことは喫緊の課題」と力を込める。

一方で、地域における観光DX推進の課題について、中村氏は「もともとツーリズム産業はステークホルダーが非常に多いなかで、デジタル化への姿勢はさまざま。どこか一部でデジタル化ができていないと、地域全体のデジタル化は進まない」と話す。「一方で、事業者にとって新たなサービスの導入はコストがかかるもの。投資効率、費用対効果、オペレーションの変更などの懸念で二の足を踏む事業者は多い。地域の事業者ひとりひとりに向き合い、しっかりと説明したうえで進めていくことが必要」と、各事業者の抱える課題にも理解を示す。

そのなかで、JTBの強みとなるのが、全国47都道府県にある営業拠点だと強調する。「各営業拠点は長年にわたって、地域の宿泊施設や観光事業者と接点を持ってきた。また、自治体やDMOとの結びつきも強い。伴走支援を進めるうえで、それは大きな強み」と自信を示す。「JTBとして、今後も地域と正対していく。地道に事業者と向き合い、デジタルで繋がる商圏の中に入ってもらい、その輪を広げていく」と話し、伴走支援に取り組んでいく覚悟を示した。

エリアソリューション事業部 観光DXチーム 企画担当マネージャー 中村友哉氏

JTBが考える未来の観光DX、CEATEC 2024で共創の機会を

JTBは、2024年10月15日から18日にかけて幕張メッセで開催される、デジタルイノベーションの総合展示会「CEATEC 2024」に出展する。観光に特化した展示会ではなく、観光事業者や旅行会社の参加者は多くはないものの、「“デジタル”に関するさまざまな業種が集まることから、観光DXを創っていくための共創の機会としていきたい」考えだ。

CEATECでは、JTBが考える未来の観光DXソリューションのコンセプトも披露する。

「将来実現していきたい観光DXのイメージとして、たとえば観光客向けには、AIガイドとの双方向コミュニケーションや、自動運転やオートバレーパーキングによる手ぶら観光の実現、地域向けには、観光地全体を支える地域の人々の働き方改革や、観光客と地域をつなぐ新しい地域通貨のかたちづくり、事業者向けにはAIを活用したコンサルティングサービスの提供など、JTBとしてさまざまな構想を描いている。ただ、これらの構想の実現に向けては、知見や開発ノウハウ、技術力をもったパートナーと一緒に取り組んでいくことが重要だと考えている」(中村氏)。

成長戦略の一つとして観光は注目の産業。JTBが描く未来図に共感する異業種も多いはずだ。

JTBは会場で、日本独自の観光地として温泉宿を模したブースを設ける。温泉地はインバウンドにとって日本のキラーコンテンツの一つだが、中村氏は「DXを進めて、新しい楽しみ方を定着させていく必要があるのでは」と提案する。

CEATEC2024会場では、温泉宿を模したブースを設ける

さらに、10月17日には「温泉観光地におけるSociety5.0の実現に向けて」をテーマにトークセッションも開催。日本最古の温泉「道後温泉」を例に、エリア内に点在する事業者から得られるデータと各種デバイスを組合せて、温泉街をより快適に滞在・周遊・再来訪できるような未来図について意見が交わされる予定だ。

JTBが考える未来の観光DXソリューションのコンセプトムービー

⇒ CEATEC2024「温泉観光地におけるSociety5.0の実現に向けて」セッション聴講予約

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問い合わせ:JTB 企業・団体向けサービスの新規問い合わせフォーム

記事:トラベルボイス企画部

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