観光庁、トムラウシ遭難事故対応検証-最終報告で改善策

観光庁は、アミューズトラベルが2009年に起こした北海道トムラウシ山のツアー登山での遭難事故に対する、観光庁の事故後対応を検証し、最終報告を取りまとめた。アミューズトラベルに対する今後の立ち入り検査や処分のほか、今後の旅行業者に対する監督・指導の改善につなげる目的で実施しており、最終報告では5点の改善策を盛り込んだ。

このなかで、ツアー登山に対しては、安全確保の順守状況を記録させるなど検査方法の改善などを実施し、ツアー登山運行ガイドラインの見直しや海外ツアー登山に関する規定の追加、旅行業法に関する処分基準の見直しも行なう。また、過去に事故を起こした旅行業者に対する立入検査の高頻度化、旅行業者の安全管理体制の確立に向けた組織的な安全マネジメントの導入、旅行業団体による自主的な安全確保の仕組み導入の検討など、監督・指導の実施方法を改善していく方針だ。

発表された改善策は以下の通り。

  1. 立入検査は原因究明のための重要な手段であり、速やかに、かつ、頻度を高めて対応することとし、検査方針として明確化する。
  2. 指導・改善措置の確実な実施と事後的な確認・検証のため、ツアー登山等については、安全確保の順守状況を記録させる等検査方法の改善その他必要な措置をとる。このため、ツアー登山運行ガイドラインの見直しを行い、例えば海外ツアー登山に関する規定の追加、安全確保の取組状況を事業者が記録する仕組みの導入等を行うとともに、旅行業法に関する処分の基準の見直し等を行う。
  3. トムラウシ山事故の重大性やアミューズトラベル社が今般事故を再発させたことに鑑みれば、重大事案については、処分後の立入検査等に関する方針を事案ごとに観光庁内で明確に示し、継続的かつ頻度を高めつつ計画的に行うこととする。
  4. 量・質の両面で体制強化に努めるため、検査実施体制の充実とともに、検査のためのマニュアルの整備等を図る。また、立入検査を、過去に事故を起こした旅行業者については高い頻度で行う、重点事項を設定して行うなどについて検査方針として明確化する。これらにより、効果的・効率的な立入検査等の実施を図る。
    また、旅行業者についての安全管理体制を確立するための組織的な安全マネジメントの導入、旅行業団体による自主的な安全確保の仕組みの導入等を検討し、監督・指導の実施方法の改善を図る。
  5. 観光庁幹部は、重大事案の処理に当たり、全体の方針決定にとどまらず、個別具体的な対応について自ら能動的に指揮をとるように徹底する。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…