2012年の訪日外国人旅行者数は約837万人で、世界30位、アジア8位の水準であった。そのため、観光立国実現に向けたアクション・プログラムでは、現状以上の日本ブランドの浸透、ステップアップが必要不可欠とし、「日本ブランドの作り上げと発信」を実施すべき施策の一つに掲げた。特に自然、食、伝統文化から清潔・安全など、日本が誇るべきコンテンツを民間目線・外国人目線で作り上げ、発信していくことが重要とし、以下の3つの施策の推進を盛り込んだ。
そのうちの一つ「オールジャパン体制による連携の強化・拡大」では、各省庁や関係機関が個別に推進していた「ビジット・ジャパン」「クールジャパン」「インベスト・ジャパン」、日本食の海外展開等について、計画的な共同プロモーションを実施する。例えば、官邸で「国際広報強化連絡会議」を開催し、各府省庁の広報機会とコンテンツを共有して海外に発信。また、関連省庁・関係機関が一体的に取り組む体制構築と、共同行動計画をまとめることも決定した。
「クールジャパンと一体となった日本ブランドの発信」では、海外のテレビ番組枠の確保や海外での日本関連コンテンツの放送に対する支援などによる、継続的な海外発信を促進。また、青少年の国際交流の促進による将来の親日層の形成や海外からのロケ撮影誘致の促進、啓蒙的な食イベントの開催による日本食と食文化の魅力発信にも取り組む。
「新たな視点に立った訪日プロモーションの実施」では、影響力のある個人や先進的な民間アイデア、外国人留学生や在日外国人を通じたプロモーションや、外国人目線を活用したPR映像、ウェブサイト、ガイドブック政策を促進する。また、オープンスカイを契機に、航空会社や空港会社の新規就航の取組と訪日プロモーションを連携する。
このほか、日本人の海外旅行を促進し、日本人の国際感覚の向上や相互理解の増進、ツーウェイツーリズムの推進により、インバウンドの拡大を図ることもこの分野に盛り込んだ。