日本政府観光局(JNTO)は、2013年8月の訪日外客数(推計値)を前年同月比17.1%増の90万7000人と発表した。これは、8月として過去最高だった2010年の80万3000人を約10万4000人上回る大きな増加。2013年1月~8月の累計は686万4000人となっているが、JNTOは2013年の目標値1000万人は前年比伸率が鈍化していることから予断を許さない状況としている。
国別にみると、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、フランスが8月として過去最高を記録。7月から開始している東南アジア諸国のビザ緩和の追い風は継続しており、短期滞在査証の免除措置が行われたタイが前年同月比102.3%増、マレーシアは同42.2%増と特に好調。一方、韓国は前年同月比6.9%増、中国は同14.6%減だが今年としては最も多い訪日数となっており、JNTOは「回復の兆しが見えた」としている。
JNTOは、この結果について東アジア市場や欧米市場が夏の旅行シーズンを迎え、夏の需要喚起にむけたプロモーションが奏功したと評価。そこに円高の是正が旅行費用の割安感を与えたことで、順調な外客増加となったとしている。今後、JNTOは、2013年の訪日外客数目標の1000万人に向けて、正確な情報発信の継続と強化に努め、2020年東京オリンピック開催の決定を追い風にプロモーションを強化していく考えだ。