日本政府観光局(JNTO)は、2013年11月の訪日外客数(推計値)を前年同月比29.5%増の84万人と発表した。これは、11月として過去最高だった2007年の68万7000人を約15万3000人上回る増加で、同月80万人台を記録したのは初めて。JNTOは増加の要因として、円高是正による訪日旅行の割安感が浸透したことや東南アジアのビザ緩和などをあげている。
今回の推計値によって、2013年1月~11月の累計は23.9%増の949万9300人となり、JNTOは「現状のまま推移すれば政府目標である史上初の年間1000万人の達成が可能である見込み」としている。昨年12月は68万9679人で、仮に今年12月が前年比26%減だとしても1000万人を超えるので、1000万人達成はほぼ確実と言える。
市場別では、中国、台湾、香港、タイ、インドネシア、ベトナム、インドが11月として過去最高を記録して好調さを維持。特に、中国は前年同月比96.0%増と大幅な増加だ。例年、国慶節が終わったあとの11月は中国人の海外旅行が落ち込む時期にもかかわらず、個人旅行、団体旅行ともに回復基調が継続している。
一方、韓国については前年同月比で6.9%減となった。要因として、JNTOは原発汚染水問題の現地報道の影響などを挙げており、今後も在外公館などと連携して正確で分かりやすい情報発信を行う考え。