イタリア政府観光局(ENIT)は、2014年の活動指針として若年層の取込みを強化する。2014年の早い時期には、日本市場に特化した新しいウェブサイトを用意し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)とともに展開。コンテンツとしては、スポーツイベントなど若者が関心を引きそうなテーマなどを提案し、若年層のイタリア旅行に対するモチベーションを刺激したい考えだ。
(写真:ENITの日本・アジア・オセアニア統括支局長のリッカルド・ストラーノ氏(右)/サッカー日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏(右2番目)/駐日イタリア大使ドメニコ・ジョルジ氏(左2番目))
ユーロスタット統計によると、2012年のイタリアの日本人宿泊数は約276万泊(前年比3.5%増)。2013年、主要旅行会社対象の旅行動向調査で最終統計は未確定ながらも概ね堅調で若干増加を見込んでいる。ENITの日本・アジア・オセアニア統括支局長のリッカルド・ストラーノ氏は、280万泊程度プラスアルファであろうという考えを示した。また、円安傾向にあるものの2014年も増加させることができるだろうと見込んでいる。
2014年4月には、アリタリア-イタリア航空(AZ)が成田/ヴェネチア線の新規就航を予定、また2015年にはミラノで国際博覧会(ミラノ万博)の開催を控え、日本人旅行者増への期待は高い。ミラノ万博については、日本の旅行業界では入場券購入に関する契約が進んでおり、イタリア現地からの担当者が来日して条件提示のタイミングに入っている。こうした話題性やアクセスの向上、50代以上のシニア層やDINKSカップルなどの個人旅行がアクティブさに加えて、若年層の旅行需要を喚起することでさらなる活性化が期待される。
ENITは、日本人の「行きたいと渡航先ランキング」などでは必ずイタリアが上位にランキングされることや、観光とショッピングの満足度も高いことを強調。ヨーロッパにおける主要渡航先としての地位を保持するだろうとしている。また、サッカー日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏を観光サポーターとして協力を要請。同氏はサッカーイベントなどの機会を使ってイタリアの魅力を発信する。
▼スペシャリスト認定プログラムの実施を計画
ENITは、アリタリア‐イタリア航空と協力して旅行業界向けにスペシャリスト認定プログラムを実施する予定だ。これは、2014年中に開始予定で、グルメ、アグリツーリズム、自然、スポーツなどの体験型観光をテーマにした研修旅行の参加者を認定するもの。こうした活動で、さらに旅行業界にイタリアへの関心を高める方針だ。
(トラベルボイス編集部:山岡薫)
イタリア、若者層の訴求を強化、五輪決定の景気上昇で旅行者増加に期待