クールジャパン機構が出資する4プロジェクト決定、三越伊勢丹HDなど4社に最大約140億円

海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は、「日本の魅力(クールジャパン)」を事業化する4件のプロジェクトに対して新たに出資することを決定した。4つのプロジェクトで出資する総額は最大約140億円。出資する事業内容と企業は以下のとおり。

【世界に向けて日本のポップカルチャーの魅力を発信するメディア事業およびEC事業】

アニメやマンガなど日本のポップカルチャーを Facebook 上で外国人向けに情報発信し、それに連動した関連グッズの EC(電子商取引)サイトを運営するTokyo Otaku Mode Inc.(TOM)に対して、グローバル市場に向けたEC事業の拡大に必要な資金として、今後3年間で最大15億円を出資する。クールジャパン機構は、TOMを支援することにより、コンテンツ産業の海外での市場拡大や国内若手クリエイターの育成を目指す。

【ベトナムにおけるコールドチェーン整備のための物流事業】

日本ロジテムおよび川崎汽船がベトナムで行う高性能冷凍冷蔵倉庫の建設および運営に対して、735万USD(約7.35億円)を出資する。このプロジェクトは、ホーチミン郊外に延床約 9,300㎡の3温帯(冷凍・冷蔵・定温)倉庫を建設するもの。クールジャパン機構は、ベトナムでコールドチェーンを整備することで、生鮮食品や加工チルド商品など日系の高品質な低温食品の流通拡大を目指す。

【マレーシアにおけるクールジャパン発信の拠点となる商業施設事業】

三越伊勢丹ホールディングスがマレーシアで進めるクールジャパン発信の拠点となる商業施設事業に対して、最大2,940万リンギット(約9.7億円)を出資する。このプロジェクトは、クアラルンプール最大の繁華街に保有ル既存店舗をクールジャパン発信拠点に再構築するもの。総出資額は6,000万リンギット(約19.8億円)。2015年10月にリニューアルオープンする予定。クールジャパン機構では、世界初の全館クールジャパンのコンセプトの商業施設を通じて、これまで単独では海外進出が難しかった中堅中小企業を支援するとともに、東南アジアやイスラム圏に日本の最先端のライフスタイルを展開していく。

【中国(寧波)におけるジャパン・エンターテイメント型大規模商業施設事業】

エイチ・ツー・オー・リテイリング、杉杉集団公司を中心とするコンソーシアム、寧波市が進める大規模商業施設事業に対して、110億円を上限として出資する。このプロジェクトは、寧波市で進行中の大規模な都市開発プロジェクト「東部新城開発」の中心地でジャパン・エンターテイメント型をコンセプトとする大規模商業施設を出店するもの。総事業費は30億人民元(約510億円)。オープンは2018年秋の予定。クールジャパン機構では、日本の商品・サービスを提供する中堅中小企業に対して中国進出の機会をつくるとともに、アジア各地に日本ブランドを創出する商業施設を展開するうえでのモデルケースにしていきたい考え。

(トラベルボイス編集部)

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