東京商工リサーチによると、全国の主要な空港ターミナル経営会社56社の2013年度決算(2013年4月~2014年3月期)の売上高は、前年比4.3%増の2567億円となった。増収が42社(構成比75%)で、伸び率の上位7位までは2ケタ増を達成。経常赤字は3社のみで、景気回復や空港旅客数の増加により好決算となった会社が多かった。また、自己資本比率5割超の会社が46社(82%)あり、東京商工リサーチでは空港ビル会社は高収益で健全な財務体質を維持していると付記している。
売上高1位は、羽田空港の日本空港ビルデング。6.9%増の1183億4300万円で、2位の新千歳空港の北海道空港の売上高473億646万円の2倍強の差をつけ、調査対象の売上の約半分となる46.1%を占めた。3位の福岡空港の福岡空港ビルディングは10.7%増の177億9217万円で、前年度の4位からランクアップ。羽田空港は国内線発着枠拡大やアジア諸国からの訪日客増加、福岡空港はLCCの参入やアジア圏からの訪日客の増加が追い風となり、特に福岡空港は空港旅客数が過去最高を記録したという。
また、上位の顔ぶれに大きな変化がない中、前年12位だった函館空港の函館空港ビルディングが10位にランクイン。26.4%増と2ケタの伸び率で、大型イベントの開催のほか、訪日客数が増加している台湾線の増便などが好結果につながったという。トップ10のランキングは以下の通り。
経常損益では53社中、黒字は50社(94.3%)。経常利益でもトップは日本空港ビルデングで52.8%増の42億2900万円となった。以下、福岡空港ビルディング、那覇空港ビルディングなど、旅客数の多い大規模空港のビル会社が上位となった。
経常利益率では仙台空港の仙台空港ビルが34.5%でトップ。仙台空港は、2016年3月に民営化が予定されており、仙台空港ビルも運営企業への売却が決定している。以下、経常利益率20%台が8社、10%台が25社、10%以上が半数超で、東京商工リサーチでは空港ビル単体で見れば収益力が高いとしている。
【2013年度 空港ターミナルビル経営会社売上高ランキング】
※順位(前年):商号(空港)/売上高/前年比
- 1位(1):日本空港ビルディング(羽田)/1183億4300万円/6.9%増
- 2位(2):北海道空港(新千歳)/473億646万円/7.2%増
- 3位(4):福岡空港ビルディング(福岡)/177億9217万円/10.7%増
- 4位(3):大阪国際空港ターミナル(伊丹)/173億7313万円/6.0%減
- 5位(5):那覇空港ビルディング(那覇)/69億5591万円/26.5%減
- 6位(6):長崎空港ビルディング(長崎)/49億3499万円/1.1%増
- 7位(7):宮崎空港ビル(宮崎)/41億7335万円/0.8%増
- 8位(9):鹿児島空港ビルディング/25億8269万円/2.7%増
- 9位(8):大分空港ターミナル(大分)/25億5614万円/2.3%減
- 10位(12):函館空港ビルデング(函館)/24億8690万円/26.4%増
(トラベルボイス編集部)