ソフトバンクグループ代表の孫正義氏が、2015年の年頭所感を発表した。
孫氏は今年、ソフトバンクが世界初の感情認識型ロボット「Pepper」の販売を開始し、ロボットが初めて一般家庭に浸透する年になるとアピール。今後も高機能の新型端末の登場や通信速度、CPU等の能力の倍増で、生活の中にあるすべてのものがインターネットにつながり、ロボットとのコミュニケーションも生まれ、ライフスタイルが大きく変わる時代が必ずやってくるとの予見を披露した。
その上で、さまざまな産業分野にも変革がもたらされるなか、新しい時代を常に先導し、人々の幸せのために取り組むことがソフトバンクグループの本業であると強調。原点を大切にしつつ、未来を見据えながら常に挑戦し続けていく姿勢を示した。
発表された内容は以下のとおり。原文のまま掲載する。
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年頭所感
あけましておめでとうございます。
昨年は、ソフトバンクグループが、さらなる大きな一歩を踏み出した年でした。
国内では、スマートフォン時代のネットワーク強化へ努力してきた結果、外部調査で、接続率、通信速度、顧客満足度No.1を獲得し、7月に誕生した新会社「ワイモバイル」は、ヤフー株式会社と連携し、新しいモバイルインターネットサービスの提供を開始しました。また、世界初となる感情を認識するパーソナルロボット「Pepper」を発表し、新しい事業分野を開拓しました。米国ではマルセロ・クラウレ氏がスプリントのCEOに就任し、彼の強力なリーダーシップの下、さらなる飛躍に向けて精力的に動き出しています。また、今後も目覚ましい成長が期待されるインド、東南アジアを中心とした地域に展開するネットベンチャー企業へ投資を行い、当社のグループシナジーが最大化できるような構えをつくってきました。
今年は、「Pepper」の販売が開始され、ロボットが初めて一般家庭に浸透していくという記念すべき年となるでしょう。また、新型の高機能のスマートフォンやタブレットも続々と登場することになります。こうした状況の中、情報革命の技術はもう成熟期に入ってしまったのかと考える方が多いかもしれません。しかし、私はまだ始まりにすぎないと思っています。メモリー、CPUの処理能力、計算能力などは1年半ごとに倍増し、通信速度も同じように倍増しています。これが15年後だと、現在の1,000倍、30年後はさらにその1,000倍と加速度的に伸びていくことでしょう。また、膨大な情報量とともに、生活の中にある全てのものがインターネットにつながり、「Pepper」のような感情を認識するロボットとのコミュニケーションも生まれ、ライフスタイルが大きく変わる時代が必ずやってきます。仕事や遊びだけでなく、医療や教育などのさまざまな産業分野にも変革がもたらされることになるでしょう。
こういった新しい時代を常に先導し、人々の幸せのために取り組んでいくということがわれわれの本業であり原点です。この原点を大切にし、未来を見据えながら常に挑戦し続ける、そういう企業グループでありたいと思っています。
「情報革命で人々を幸せに」。この経営理念の下、グループ会社一丸となってその実現に向けて行動するのみです。今年も、ソフトバンクを宜しくお願いいたします。
2015年1月1日
ソフトバンクグループ代表 孫正義