JTBワールドバケーションズは、2015年度上期の海外ツアーを1月16日から順次発売を開始する。新たな商品展開としては、トレンドとなっている「絶景」「タビナカ」を強化。また、全国の地方空港から参加する旅行者が、羽田・成田空港発着の商品を利用しやすくする国内線利用追加代金を無料とするツアーを用意。新たな商品展開で、同社は2015年度の取扱人員は2014年見込みの124万6000人から8%増の135 万人を目指す。(方面別の人員目標は下段で紹介)。 *右写真は、同社代表取締役、井上聡氏
新商品発表会では、2015年の商品の特徴を説明。代表取締役、井上聡氏は円安基調や世界的な旅行需要の高まりによる仕入れ環境の変化で、商品全体として商品価格が前年比103%となったことを明かした。また、訪日旅行者の増加で航空座席の仕入れ環境も変化。同社としては、定期便の事前買取り、チャーター便の設定などで確保する方針だという。「リスクは高まるものの、リスクをとって潤沢な商品を提供する(井上氏)」決意だ。
ただし、厳しい環境下であるものの、消費増税の影響が一服したことや、ベースアップ・夏季ボーナス増加への期待、6 年ぶりのシルバーウィークなどレジャー・旅行への意欲は堅調に推移するものとみており、2015年の商品では海外旅行需要を喚起できる「企画性」にこだわった。
2014年度の集客人員見込みと2015年の目標は以下のとおり。
▼旅行中の「タビナカ」強化
アプリの新機能搭載や現地ラウンジ新設で
2015年上期海外ツアーでは、旅行者の現地での行動をサポートする「タビナカ」を強化。JTBアプリでは、2015年度に新たな機能も搭載する予定で、GPS連動でのナビゲーション機能(道案内)、アプリオリジナルのモデルコースの作成、モデルコースに対応したオプショナルツアーの紹介など、現地での行動をサポートする。
また、専用ラウンジやシャトルバスなどの新設などで、旅行者のさらなる利便性の向上を目指す。主な取組みは以下のとおり。
【ルックJTB専用ラウンジ・デスクを新設】
- オーストラリア・シドニー中心部に「ルックJTB専用ラウンジ」
- アジアに2つの「ルックJTBデスク」(ザ・リッツカールトン バリ内、セブのシャングリ ラ マクタン・リゾート&スパホテル)
【現地シャトルバス拡充】
- グアム・サイパンに「ルックJTBスマートエクス ルックJTBスマートエクスプレス」
- 韓国で「世界遺産めぐり号 世界遺産めぐり号」
- タイ・プーケットに、「ルックJTB専用シャトルバス」サービス
【ルックJTBオリジナルクーポン】
- ハワイ「‘OLI‘OLI クーポン」新登場 クーポン」新設
- 「きままに食べ歩き」シンガポール、バンコク、クアラルンプールに投入
▼新シリーズ「世界の絶景」を発表
着実なニーズの高まりに対応、SNSで共感広める狙いも
品質向上と満足、旅先での「感動」を追求していく方針で生まれた新シリーズが「世界の絶景」だ。SNSで話題性の高い「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を運営する詩歩さんがプロデューサーとして参加。「絶景を見る」だけでなく「撮る」ことにもこだわり、JTBスタッフの経験をもとに選出した「絶景 100 選」の中から、人気の高い絶景や認知度の低い絶景など で28コースを商品化した。東日本販売本部長の青木哲郎氏(写真右)は、従来の売れ筋にも絶景を含んでいるが、今回は「その延長線上だけでない」点を強調。例えば、イタリア・ランンペドゥーサ島だけにポイントを絞ったツアーなど、「今までは難しかった(青木氏)」ツアーを展開していくという。
また、「撮る」ことへのこだわりでは旅程に配慮。訪れる時間によって変わる絶景を、より美しい絶景としてカメラに収められる時間帯に訪れる配慮を施した。これは、旅行者が絶景をSNS を通じて友人・知人と共有することで、海外旅行の新たな魅力の発見、動機づけにつなげることを狙ったものでもあるという。今回の新企画は、絶景ブームなどで、着実なニーズが高まりに対応したもので、細かな配慮など企画性の高さを求める旅行者に提案したい考えだ。
なお、今年のルックJTBのデスティネーション・クローズアップは「南米」。南米全体で28コースを設定している。また、ヨーロッパでは「フランス・キャンペーン」を展開する
(トラベルボイス編集部:山岡薫)